友人都月さんのスペースの売り子のために、GoodComicCityに行ってまいりました。 そのときのお話。
同人イベントのサークルスペースには大量のチラシが配布されます。 それらはほぼ全部、印刷会社のチラシか、余所で開催される別のイベントのチラシです。 その中に、ちょっと興味を覚えるオンリーイベントのチラシがありました。
オンリーイベントというのは同人イベントのうち、コミケのようにいろんなジャンルが一堂に会するイベントではなく、その中の特定ジャンルのみを集めて開催されるイベントです。なので、○○オンリーというふうにジャンルが明記されます。 そのチラシのイベントのジャンルというのが、
擬人化。
……世の中にはいろんなものを擬人化する方がいると聞きます。 例えばアンパン○ン。 ア○パンマンやカ○ーパンマンを美形のお兄さんに描きなおして×でくっつけたりなんだりかんだりという事をなさるわけです。 ピカ○ュウなんかも有名なだけあってよく聞かれます。
他にも実在の物品が擬人化されることもあると聞きます。 例えば鉄道。 ○○線攻め△△線受とか。ちょっと風が強く吹いたくらいですぐ止まると評判の武○野線なんかはへたれ受だったりするわけです。
確かにそういう趣向を持つ方がおられるとは聞き及ぶ所でしたが、よもやオンリーが開かれるほどの大々的な一ジャンルとなっていたとは。 腐女子としてはまだまだ浅く狭い位置にいる私などには大変びっくりする事実です。
さすがに私はそういう趣向は持ち合わせていないので行く気にはなりませんが、気になりはしました。 友人たちと擬人化について盛り上がり始めます。
鉄道カプがあるならきっと文具カプとかもあるんですよね、という話に広がりました。 シャーペン×消しゴムとか。 シャーペンはシャーペンですから、自由奔放にノートとかにぐりぐり落書きしちゃうわけですよ。そんなやんちゃな彼のいたずらを消しゴムは優しくたしなめて端から丁寧に消して後始末していったりするわけです。まさにその姿はやんちゃ小僧攻め×そのいたずらを許しちゃう優しい同級生受けといった趣。 身を削ってシャーペンのために尽くしちゃう消しゴムの無償の愛に腐女子はきゅんきゅんです。
おお、いけるじゃないか、いけるではないですかこれ結構! 想像は更に膨らみます。
真面目で何でもかっきりとしていなくては気がすまない委員長気質の定規。シャーペンとはその感性の違いから度々衝突するが消しゴムはにこにこと笑って二人の軋轢をフォローし続ける。 「おい消しゴム、お前がそうやって甘やかすからこの馬鹿はいつまでたってもフリーハンドでしか線が引けないんだよ!」 「まあまあ定規、シャーペンだって悪気があってそうしてるわけじゃないんだから。はみ出したらちゃんと僕が消すから、僕に免じて許してあげて。ね?」 定規をキリキリさせながらもバカップルの愛の日々はつづく――
とか、
シャーペンにいつもいつも落書きされ、泣かされるいじめられっこショタ系ノート。 「やめてよやめてよシャーペンー! あっ、そのページは大事な板書なのー! うわぁん書いちゃいやー!」 そのノートの落書きをいつも優しく丁寧に消してくれる消しゴムにノートはいつしか心引かれていく。 「消しゴムさんっ……もう、あんなシャーペンなんかのためにそんなになってまで働くのはやめて! もう、そんなにちっちゃくなっちゃってるじゃないか……! おねがいだよ、僕、消しゴムさんが消えちゃうなんてやだあ……っ」
……ね? よくない? よくありませんか? いいでしょう? いいんです。
擬人化ジャンル。ちょっと見てみたくなったなあ。
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