白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2010年06月14日(月) 本当に偉い人。

私はもうすぐ38歳になる。娘もいて「いい年したオバチャン」と呼ばれるに相応しい年頃だ。しかし結婚も出産も遅かったので、私にとって娘は初めて育てる子供。「いい年したオバチャン」とは言うものの、育児に関しては初心者なので、近所の人からは教わる事が多い。

斜め向かいに3人の男の子を育てているKさんって人がいる。末っ子が娘より1つ上なので、娘はそこの3兄弟とよく遊んでもらっていて、私もKさんからは色々と教わる事が多い。Kさんは私より年下だけど「母親」としては私よりも遥かに経験豊富。ドラクエの世界ならば、私は「こんぼう」を遮二無二振り回してスライムと格闘中。Kさんは意気揚々とパスターソードをかついでダンジョンを探索中……って感じだろうか。

娘を遊ばせながらKさんと世間話をしていたら、御近所で評判の悪い男子小学生のことが話題になった。娘はまだ3歳にもなっていないのだけど、しょっちゅう公園で遊んでいるので、私もご近所の男子小学生達の顔は覚えている。男子小学生なんて「ヤンチャで当然。悪戯して一人前」なのだけど、その子は直接関わらない私の目から見ても「ちょっとなぁ…」な子で、聞くところによると近所のお母さん方から敬遠されているらしい。

しかしKさんは彼のことを「タイミングが悪いと言うか、ちょっと空気読めないけど悪い子じゃないのよ」と評し、「親の目が無ければ、うちの子だって何してるか分からないし、たぶん他所のお母さんに色々叱られてると思うから、他所の子もちゃんと叱っておかないとね」と笑っていた。そしてKさんは言った。

他所の子も我が子のように思わないと、やってられないよねぇ〜。

目から鱗だった。私は子供が大好きだけど、公園に行くと言い方は悪いけれど「性質の悪い子」も少ない無い。親の躾が悪いのかどうかは分からないけれど「たかが小学生」とは思えないような子もいて、そんな子とは正直「関わりたくない」って思ってしまう。だけど、思い起こせばKさんは公園にいるどの子にも親しく話していたし、どの子にもガツガツ叱っていた。

本当に偉い人ってのは、こんな普通の場所にいるものなのだなぁ。

「他所の子も我が子のように思う」なんて、口ではいくらでも言えるけれど、なかなか出来ることじゃない。だけどKさんの言うように、娘も他所の人に叱られたり、世話をかけたりする事があるだろう。それならば私も、その事を頭の中において行動するようにしなくちゃいけない。

Kさんからは色々と教わることが多いのだけど、今回のことは私にとって衝撃的だった。私はたぶん長い年月をかけてもKさんには敵わない気がする。人間の器の大きさが違うのだ。まぁ…それでも、せめて、せせこましい人間にならないよう努力したい……って事で、今日の日記はこれにてオシマイ。


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