白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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2009年12月16日(水) げんしけん

毎年、この時期になると決まって『げんしけん』が読みたくなる。

『げんしけん』はヲタクな大学生達の日常を描いた漫画。この時期…と言うのは「クリスマス時期」とか「年末年始」と言う意味ではなくて「コミケ前」という意味でのことだ。

結婚してからも娘を産むまではコミケに行ったりしたものだけど、ヲタク活動については、今ではすっかり引退したも同然。細々とアニメや漫画をチェックしたりネットで世間様の流行りをチェックして「ほぉっ」っと感心してみたりする程度になってしまった。自分で言うのもなんだけど、表面上はすっかり「いいお母さん」だと思う。だけどコミケが近づいてくると、なんとなくソワソワしてしまうのだ。娘に手がかかる間は参加するなんて無理な相談だし、娘に手がかからなくなったら、その時、再び「コミケに行きたい」と思えるかどうかは激しく謎だ。

『げんしけん』の中で、サークルのメンバーで同人誌を作ってコミケに参加 するエピソードがあるのだけれど、そのくだりを読むと、かつての自分と重なってしまって胸が熱くなってくる。あのドキドキ感は外の行為では代替できない特別なものだ。

今の生活に不満はないし、自分の成すべきことを放っておいてまで、そう言った活動をしたいとは思わないけれど、懐かしくて涙が出そうになってしまう。思えば、あれは私にとって青春だったのだろうなぁ。もっとも「青春」なんて甘酸っぱい言葉を使うのは不適当かも知れないけれど。ほんの数年前まで携わっていたのだから。

ともあれ、コミケに限らず「熱く打ち込める事」があるのは、人として幸せなことだと思う。特にそれが仕事とか、世の中に役立つような事ではないと、なお良い。利害を抜きにして自分のためだけに楽しむ時間ってのは、この上もなく贅沢なことだと思う。今の私はそういう事から遠ざかってしまっている訳だけど、かつて、そういう時間を持っていたというのは幸せな事だと思っている。

コミケに参加する人達はこれからが正念場。風邪などひかずに目一杯楽しんできていただきたい。私は『げんしけん』などを読みつつ、今、自分がやるべきことに打ち込んでいこう……って事で、今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
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