私は生まれてこのかた、人の鼻毛を見上げて生きてきたと言っても過言ではない。
夫の鼻毛を指摘するのは私の使命だと心得ていて、夫の鼻毛を発見するたびに「鼻毛警報!鼻毛警報!」と言う事にしているのだけれど、ついこの間、鼻毛警報を発令したらば夫が「俺はそんなにだらしない人間なのかなぁ」と悲しそうに言った。
夫は決してキッチリしているタイプではない。服装にしても髪型にしても無頓着な人間で、結婚してから随分とマシになったと思う。実際、彼は実の母から「ホント、結婚してから小マシになったわぁ」と言われたほどだ。
しかし夫の名誉のために言っておくと、夫は自分の鼻毛がボーボーなのを気にしないほど無頓着な人間ではない。定期的に鼻毛メンテナンスをしている方だと思う。それなのに私は鼻毛警報を出してしまうのだ。何故なら私は身長143センチ。人の鼻毛を見上げる機会が普通の人よりも断然 多いので、他の人よりも鼻毛が気になってしまうのだ。
私は夫に「大丈夫。正面から見たら出ていないと思うよ」と言うと共に、私の生きている世界が人の鼻毛と共にあるのだって事を説明した。
あまり考えたことは無かったけれど、背の低い子供達はみな大人の鼻毛を見上げて生きているのだなぁ。子供の頃に、どんな風に大人を見上げていたのかなんて、もはや覚えていない。たぶん今とは違う世界を生きていたのだろうなぁ。
私はこれからも鼻毛ハンターとして生きていくのだと思う。もっとも家族間に限られた活動だけど。ちなみに。鼻毛ハンターを名乗ってはいても自分の鼻毛は見えない。これを書き終えたら鼻毛チェックをしようかな……って事で、今日の日記はこれにてオシマイ。