あちこちで金木犀の花が咲き始めた。存在感抜群の香りは遠くにいても「あっ。金木犀が咲いてる」とすぐに分かる。トイレの香りの代名詞のようになっているけけど、私はけっこう金木犀が好きだ。
しかし、ここ数年は金木犀を植えている家がどんどん減っているような気がする。昭和40年代〜50年代に建てられた家には必ずと言って良いほど金木犀が植えられていた。当時の家は土地が狭くても、今のように土地一杯に家を建てるケースは少なく、僅かばかりの庭木を植えている家が多く、その「僅かばかりの庭木」の中に金木犀は必ず入っていたように思う。
しかし昭和40年代〜50年代に建てられた家は、建て替え時期を迎えていて、どんどんと潰されて新しい家に変わっている。そして新しい家に金木犀はまずもって植わっていない。近年の流行りは花水木…ってところだろうか。あるいは土地パツパツに家を建てたり、ガレージを作ったりするために庭木自体、植えない家も多い。
きっと金木犀は年々減っていくのだろうなぁ。
もしかすると「金木犀=トイレの香り」と言われても「ところで金木犀ってどんな花だっけ?」なんて会話が交わされる日が来るかも知れない。季節を代表する香りも時代と共に変わっていくのは仕方がないことなのだと思うのだけど、少し寂しい気がしてならない。
ずっと変わらないものなんて無い。だからこそ、今一瞬が愛おしく思えるのだろう。金木犀の香りを楽しむことの出来る今を大切に過ごさなきゃなぁ……なんて事を思いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。