通勤電車の中から、ぼんやり市内を眺めていると新築マンションがやたらと目につく。日本人の人口が増えたとは思えないのだけれど、短期間に高層マンションが建っていく様子はなかなか壮観なものだ。「建った」と言うよりも、むしろ「生えた」という印象。
私はマンションに住んだことが無いのだけれど、朝の電車の窓から見えるマンションの風景ってのは、けっこう好きだ。天気の良い日には、どの部屋のバルコニーにも洗濯物が揺れていたりすると、なんだか胸がキュウッっとするのだ。「たくさんの人が住んでいるであろう生活感」が好きなのだと思う。
だけど最近のマンションは高層、低層に係わらずバルコニーの高い位置に洗濯物を干せないところが多いようだ。友人が暮らすマンションがそうだたのだけど、バルコニー手摺りの低い位置に洗濯物干しが付いていて、外から洗濯物が見えないようになっている。プライバシーの問題や、外から見た時の景観の問題などから、そういう仕組みになっているのだとは思うのだけど、ちょっと寂しいような気がしてならない。手摺りの下だと日陰になってしまうし、風通しも悪いんじゃないかなぁ……なんてのは、大きなお世話。
お洒落な建物も良いけれど、それ以上に生活感のある建物が好きだ。だって建物は人が住んだり、仕事をしたりする場所なのだもの。建物のために人がいるのではなく、人が気持ちよく生きて行くために建物があると思うのだ。
マンションのバルコニーに洗濯物が見えた方が好き…なんてのは、まったくもっと個人的な嗜好なのであって、そんなのどうでも良い話なのだけど気になってしまう今日この頃。ちょっと古めのマンションを見るとホッっとしてしまう。こういうのも流行りがあるだろうから、仕方ないのだろうなぁ…なんて思いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。