昨日は祖母の法事で叔父宅へ行った。
祖母は人として最悪な形で亡くなったのだけと、8年も経てば当時の記憶も薄くなってくる。「忘れる」って事は人間に許された最高の癒しなのかも知れない。当時、激しく渦巻いていた哀しみや怒りも、今となっては記憶の奥底にひっそりと息づいているに過ぎない。しかし、それは私の感じ方にしか過ぎなくて、故人との関わり方によって想いは違ってくるようだ。
叔父一家は法事の間中、乙女な母を見てしきりに「お祖母ちゃんに似てる。そっくりだ」「お祖母ちゃんが戻ってきたようで怖い」と、しつこいくらいに言っていた。が、乙女な母と祖母は客観的に見るだに、似てはいないのだ。もちろん血が繋がっているだけに、パーツ単位で似ているところはあるけれど、乙女な母と祖母は、性格も体型も違い過ぎるので「そっくり」と言うには無理がある。集まった親戚の中で、乙女な母と祖母が似ていると騒いでいたのは叔父一家だけで、ある意味滑稽でさえあった。
叔父一家は乙女な母に薄っすらと宿る祖母の面影に何を見たのだろう?
死んだ人は戻っても来ないし、怖がる事なんてない。むしろ、恐ろしいのは乙女な母が祖母そっくりに見えてしまう彼らの心の闇だろう。これから先も、叔父一家は乙女な母を見るたびに祖母の幻を見て、あまり愉快ではない思い出を反芻しなければならないのかも知れないなぁ。
それにつけても、何かと疲労困憊した法事だった。しかしながら今週末は友人に会いに行く…と言うビックイベントがあるのだし、気を取直して頑張らなきては……って事で今日の日記はこれにてオシマイ。