白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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2006年04月29日(土) スペイン道中【マドリード前半〜スペインの空】

スペイン観光最終日は首都マドリード&トレド。午前中は美術館をハシゴ。プラド美術館とソフィア王妃芸術センターへ。トレドの教会ではエル・グレコの絵を見たので、絵画尽くしの1日と言っても過言では無かった。

ぢつは私。絵画を見るのは大好きなのに、ピカソ、ダリ、ミロ、エル・グレコというスペインを代表する画家達が大の苦手だった。前者3人は、絵を見ていると脳味噌を掻き回されたような不愉快な気分になるし、エル・グレコの陰気な絵は死にたくなるから嫌いだったのだ。

「だった」と過去形なのはスペインへ行って嫌いぢゃなくなったからである。

その画家が育った場所に行ったのが良かったのか、それとも特定の画家の作品をドッサリまとめて観たのが良かったのか。あるいは単に、私の感性が大人になって変わってきたから感想が変わったのか。理由のほどは分からないけれど、彼らが嫌いぢゃ無くなったのはスペイン旅行の大きな収穫だった。

トレドは中世から時が止まってしまったかのような街並みが残っていて、特に高台から観た景色は素晴らしかった。「スゴイ……エル・グレコの絵、そのままだ…」とて、1人で感激。残念ながら夫とは絵画の趣味は分かち合えないのだ。いくら夫婦だからって、感性が似ているとは限らない。しかし、これは私が夫のサッカー熱に付き合ってあげられないのと同じなので仕方が無い。

以前、私より先に結婚して新婚旅行でイタリアに行った友人が「新婚旅行は楽しかったけれど、海外は友達と行った方が良いかも…」と話してくれたことがあって、その時は心の中で「贅沢なこと言う人だなぁ」と思ったものだが、私も同じことを感じた。今回は新婚旅行なので致し方ないけれど、趣味・嗜好の似た人と旅をしてみたい……と思ってしまった次第である。感性の違う人と旅をするから味わえた楽しみだってある……ってことを念のため付け加えておきたい。

それにつけても、スペインの南の青い空も美しかったが、陰気に重苦しい灰色の空も素晴らしかった。『智恵子抄』の中に「東京には空がない云々」の詩があるけれど、空ってのは続いているくせに、場所によって全く違うのだなぁ……ってことを、しみじみ感じた。スペインの空は日本の空と全然違う。同じ空なのに不思議なことだ……ってことで、マドリードの思い出は明日に続けることにして、今日の旅日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2004年04月29日(木) 家族主義。
2003年04月29日(火) 早起き日記。
2002年04月29日(月) 断髪

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