日を追うごとに寒さが増してくる今日この頃。みなさま、いかがお過ごしでせうか? クリスマスだの年末だのが近づいてくるとテンションが上がる方や、その反対に下がる方……それぞれの秋をお過ごしかと存じ上げます。かく言う私は寒さが大の苦手でして、今くらいの気温で踏みとどまってもらえたら、どんなに嬉しいことかしら……などと、せんない事を思ったりしています。
街を歩く女性達も随分と変わってまいりました。私も女性の端くれではありますが三十路をたっぷり過ぎてしまった身としては、最近の流行にはとんと疎くなっているようで、着飾った若い女性達を眩しく眺めているばかりです。あぁ……だけど、なんでございますね。今年の秋冬は、ワイルドな服装が流行っているのでしょうか。生きる本能を掻きたてるような……そんな服装の方がやたらと目についてしかたありません。私は彼女達の出立ちを見た瞬間に思いました。
「マタギだ! マタギが歩いている! しかも集団で!」
マタギとはクマなどの大型獣を捕獲する技術と組織をもち、狩猟を生業としてきた人達のことです。私は今まで生きてきて、マタギを生業にする人とは遭遇したことがありません。なので本物のマタギがどんな風な格好をしているのかは分からないのですが、私には彼女達の格好が
『マタギ風』とか思えないのです。
しかながら人間の視覚って不思議なものでございますね。ファーのベストは今年の流行であり洒落なアイテムだと思うのですが、いったん「マタギだ!」と思ってしまった以上、私の目にはもう彼女達の格好が「マタギ」にしか見えないのです。この夏以降にマタギが登場する小説を続けて2冊も読んだのが原因なのだと思います。
私は寒さが苦手なので、いっそ
マタギ風のベストを買ってみるのも良いかも知れません。マタギ風のベストは私を寒さから守ってくれるでしょう。あぁ……だけど駄目なのです。マタギ小説の面白さを反芻してドキドキが止まらなくなってしまったらお洒落どころではないでしょうから。
この冬はマタギ風のベストを着用した人を見るたびに、羆を狙う撃ちにしたワイルドなマタギを連想してドキドキするのだろうなぁ……と思いつつ今日の日記はこれにてオシマイ。