通勤途中、電車で何本かの川を渡る。
都会の川はお世辞にも綺麗だとは言い難い。鈍色をした川の水は、大阪らしいと言えば大阪らしく、毎日見ているとそれなりに愛着も沸いてくるのだが、どうしても気になることがあるのだ。とある川の岸辺にワンボートが2艘ばかり繋がれているのだが、あのスワンボートは何に使っているのだろうかと。その川岸には、けっこうな数の船が繋がれているのだが、それらはみんな働く船だ。娯楽のための船なんて1艘たりとも見当たらない。そんな中にあるスワンボートは、これでもかと言う存在感でもって、いつも同じ場所にあるのだ。
スワンボートってのは、どうして、ああまで人の心を惹きつけて止まないのだろう?
たとえば美しい木々に囲まれた湖に行ったとする。手で漕ぐボートや、足漕ぎボートがあったとする。「せっかくだからボートにでも乗ろう」となった時、スワンボートの存在を気にしないでいられる人が、どれくらいいるのだろう? もしスワンボートに乗らなかったとしても、水上に繰り出した瞬間、気になってしょうがない……なんてことは、よくある話。(少なくとも私の場合)
スワンボートって乗った本人は、その姿を楽しめない。むしろ傍から見ている方が、ずっと楽しいはずなのに、それでも「乗りたい」と思ってしまうのだなぁ。それは、ほんの少し……に似ている。
通勤途中で見かけるスワンボートが動いているところを見たいなぁ……なんてことを思いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。