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2019年09月08日(日)
『あいちトリエンナーレ 2019』

『あいちトリエンナーレ 2019』

あいちトリエンナーレも四回目。20102013、2016(名古屋豊橋)と、第一回目から毎回楽しみに出かけている国際芸術祭です。2016年は維新派の最終公演『アマハラ』とハシゴ。てことは、松本雄吉さんが亡くなって三年経つんだなー、時の流れは早いなあとしみじみしたり。

目当てのパフォーミングアーツの公演期間が限られていたため、今回は初の9月参加。ていうかあの暑さは8月だ、8月。毎回涼しくなった10月に行っていたのでキツかったわー。ただでさえ暑さに弱いもんでフラフラになった。が楽しかった。やっぱりあいちトリエンナーレは楽しい。これからも行くと思う。

公演が終わる前に、と速報的に書いたtwitterもどうぞ。ラグビー(RWC直前)やTOOL(13年振りの新譜が出たばっかり)の話題と混ざってますが、ともにお楽しみください(笑)。

・from:flower_lens since:2019-09-07 until:2019-09-09┃twitter

こちらに未掲載分も含め、撮影した元画像はtumblrに置いています。まとめて大きな画面で見たい方はこちらをどうぞ。補正等しておりません。動画がGIFでしかアップ出来ないのが惜しいな。

・flower-lens #あいちトリエンナーレ┃tumblr

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今回は初の試み、金曜日の夜前乗りして土曜日観てまわるというコース(今思えばこの旅程でよかった)。そしてこれも初、岐阜在住の旧友TAさんと現地集合していっしょにまわることに。ひとり旅ではまず入らない、深夜営業の名古屋コーチン料理店で景気付け。おいしかった〜。ホテルから徒歩圏内ということもあり、25時前迄話し込む。

翌朝は恒例、白川公園エリアからスタートです。いちばん乗りで入場。今回出品作の殆どが撮影拡散OKで、ここにも時代の流れを感じました。

■白川公園エリア/名古屋市美術館
碓井ゆい『ガラスの中で』がお出迎え。この日は晴天、天井からの陽光を受けて輝くシャーレの美しいこと。早速撮影してみたのですが、作品の繊細な表現は写せなかった。是非現地で。
順路がうまく出来てる、続いての部屋は暗闇。あっという間に不穏な空気。藤井光『無情』は、「外国人を自国人化」するために日本が行ったことを現代で「再演」する。この気持ち悪さと恐怖を感じなくなったらと、それに恐怖を感じる。そしてこういう作品あってこその国際芸術祭だとも思う。
モニカ・メイヤー『The Clothesline』は展示中止中。作品の名残だけがある。そして、この作品を新しい形で設置した『アート・プレイグラウンド つくる CREATE』の展示に力づけられる。

・名残とステートメント



・新展開



こどもの切実な叫びですよ。丁度前日、あおり運転で話題になったふたりを交通安全ポスターに描いたこどものことを話していた。こどもはおとなのすることをしっかり見てるよねー、なんて話す。
桝本佳子『五重塔/壷 ほか』は一瞬常設作品と見間違え、直後にっこり。骨董品のような壷に、あれあれどうぶつたちが。分福茶釜とか思い出す、こういう作品大好き! 伝統的な技法によるユーモア。人工授精時である自身の出自に向き合った青木美紅『1996』も心に残る作品でした。羊のドリーってグッズがあったのね……。




名古屋市美術館に行くときいつも楽しみにしていた、河原温の常設作品が見つけられなかったのが残念。展示替えの時期だったのかな。常設といえばここ、メキシコ近代美術作品がすごい充実しているんです。フリーダ・カーロやディエゴ・リベラの絵が観られるよ。

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めちゃめちゃ暑い、日差しも強烈。こちらも恒例、ロシア雑貨店リャビーナでひとやすみ。今回はモルス(Морс)というベリージュースを飲んでみました。甘酸っぱくておいしい! 今回のチョコはアリョンカでした〜。


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オアシス21に移動してランチ後、サエボーグ『House of L』。猛暑の中ぎでよがっだ……。

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■栄エリア/愛知芸術文化センター
サエボーグの余韻を引きずりまくり、しかもそろそろ時間が気になってきました。映像作品も多かったのでやっぱり一日では厳しいなー。慌ただしく観たもののなかではヘザー・デューイ=ハグボーグ『Stranger Visions, Dublin: Sample 6』が面白かった。街なかで拾ったゴミから抽出したDNAサンプルをもとに、人物の顔を生成した作品。


なんだかこれ、憶えがあるなあと思ったらこれでした。怖いな!

・(2015.05.20)ゴミについたDNAから顔を復元、ポイ捨てした人をポスターにするキャンペーン┃WIRED.jp
「香港の非営利団体「Hong Kong Cleanup」のために、広告代理店オグルヴィが制作したものだ。」
「このプロジェクト「Face Of Litter」(ゴミの顔)は、2013年に話題になったプロジェクト「Stranger Visions」によく似ている。ニューヨーク市に住むアーティスト、ヘザー・デューイ=ハグボーグは、街角に落ちている髪の毛や爪、タバコの吸い殻、チューインガムなどのDNA情報から、顔を再現した3Dプリント作品を制作したのだ(日本語版記事)。それは、こうした生物学的手段を、どういう目的で用いるべきかをめぐる議論を引き出すものとなった。」

今回メインヴィジュアルとしてとりあげられていたウーゴ・ロンディノーネ『孤独のボキャブラリー』にはホッとさせられた。展示方法にも、展示が中止にならなかったことにも。鑑賞者が思い思いにくつろいでいる。作品と同じポーズをとって寝転んでいる若者や、リアルな顔をじっと覗き込んでいるこどもがいたり。dividual inc.『ラストワーズ/タイプトレース』は駆け足になってしまった。“10分遺言”、じっくり読みたかったし参加したかったな。

■四間道・円頓寺エリア
街なかエリアです。あああ、ここにいちばん時間を割きたかったがもう夕方! マストだったユザーン『Chilla: 40 Days Drumming』を目指す。なごのアジールに近づくとタブラの音が聴こえてきます。いやー、演奏してるときのユザーンってほんと格好いいよね……にしても、40日間の修行というだけでも過酷なのに、それをひとに観られっぱなしというのも相当たいへんですよね。動物園的でもあった。どうぶつ、ストレス溜まってるんだろうなあなんてこと迄考えてしまったよ……。15分くらいは演奏聴けたかな。その後ユザーンは退出、楽器の前には「休憩中」の札が立て掛けられました。ちょっと時間ズレてたら演奏観られないまま帰ることになってた、よかった。






伊藤家住宅は盛況、入場規制されていて作品には辿り着けず建物内をちょろっと観ただけ。円頓寺商店街にはアイシェ・エルクメンによる作品でアーケードが彩られていましたが、それが作品だと知ったのは帰宅後。それくらいなじんでた。最後に観た作品は、メゾンなごの808の弓指寛治『輝けるこども』。交通事故で亡くなったこどもの短い人生を辿る。



しん、とした心境で全ての鑑賞を終えました。いい意味でクールダウン出来た。ボランティアの方がとても親切で、丁寧に道を教えてくれたうえにお散歩ブックも手渡してくれた、時間が足りなかったのが悔やまれる。

さあ時間がない、タクシーで名古屋駅へ戻る。しかしお茶はしたい。コンパルにもしっかり寄りました。TAさんが学生時代ここでバイトしていたという話も初めて聞いて楽しいおしゃべり。いつもエビフライサンドだけど今回はチキンカツサンドをお土産に買って慌ただしくTAさんと別れ、ギリで帰りの新幹線に乗車。車内の電光掲示板には、翌日の台風に備え上り線の殆どが運休になるとのお知らせが流れていました。翌日の交通網は大混乱。土曜泊だったら帰れなくなってたかも…よかった……。

毎回行ってはいるが全エリアまわれたことがない。それ程大規模だということでもあります。今回市原佐都子(Q)の『バッコスの信女ーホルスタインの雌』も観たかったんだよなー。期間中何回か行ければいいんだけどなー。次回以降のことも考えておかないと。

という訳で繰り返すがあいちトリエンナーレは楽しい。これからも行くと思う。