I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
MAIL
HOME
|
|
2019年09月02日(月) ■ |
|
祝福される多様性、KAMASI WASHINGTON |
|
KAMASI WASHINGTON@LIQUIDROOM ebisu
定刻だったそうです、失礼しました。んが、タイムテーブルアナウンスしといてほしかったわ……。
----- Ts:Kamasi Washington Vo:Patrice Quinn Flute, Ss:Rickey Washington(カマシのパパ) Tb:Ryan Porter Key:BIGYUKI Drs:Ronald Bruner Jr.(Thundercatちゃんのお兄ちゃん) Drs:Tony Austin B:Miles Mosley (8/2にKeyがBrandon ColemanからBIGYUKIに変更とアナウンスがありました) -----
三年前のフジ、ウワサは聞いていたもののRHCPと被っていて観られなかった。昨年のサマソニでは日程が合わず。BLUE NOTEやBillboardでの公演は避けていた。だってさ〜やっぱかしこまったとこでディナーなんぞして、じゃなくてスタンディングでガチ踊りしたいじゃーん。という訳で念願のクラブ公演ですヨ! チケットとれてよかった!
リキッドで入場時間が30分しかないって珍しいなあと思いつつ、大混雑のなか見やすい位置をなんとかゲット。入場と同時にDJは始まっていたのですが、開演時間の19:30になるとフロアライトが消え、照明もステージ仕様になりました。カマシ登場迄のゲストDJは柳樂光隆さん。タブラとシターラか(な?)ver.の「Take Five」とか、それどっから持ってきた、でも格好いい! てな選曲で面白かった。Shazam掲げてるひとがあちこちにいたんだけど、あんまりヒットしてないところも面白かった……感知してないのかな? なんてスマホの向きを変えてもヒットしないの(笑)。こういうの、ちょっと痛快。後日プレイリストが一部公開されてましたよ。
というわけで楽しく聴いてましたがそれにしても遅いな……カマシが出てくるのはいつぐらいだ……と思うくらいには時間が経つ。結局20:20登場。そうならそうと! どちらにしろ19:30からいたと思うけど、ライヴのスタート時間が判ってるのと遅れてるのかな? とハラハラし乍らぎゅうぎゅうのフロアで待つのとでは疲労度が違うのよ! 柳樂さんに罪はないが(そしてDJは楽しんだが)流石に20時過ぎたら「まだかな〜」と思い始めてしまった。すまん……。
ライヴが始まってからしばらく、フロアのレスポンスが鈍い。あれだ、皆待ちくたびれてたんだと思う……体力的にも。バンドは最初からフルスロットルでした。音源もいいけどライヴはやっぱりすごい。ミドルテンポの曲をインプロのブリッジで繋げていくので、MCでもしない限り曲間は空かない。我々が演奏を始めたらショウが終わる迄誰にも邪魔させん、というか邪魔など出来ませんよ! とこちらが気圧されるオーラありあり。悠然と歩く象のよう、ノッシノッシ。よって印象が陸の王者。一音一音の重みが違うぜ。やがてフロアも熱くなり、すっかりバンドのペースです。伴奏なし、まっさらのTs1本で演奏されるカマシのソロは合気道を思わせる間合いの芸術。ブレス、フィンガリング、キーがタンポを叩く音全てを耳に入れようと、フロアが静まり返る。その緊張感の心地よいこと。
ドラムは下手側がトニー、上手側がロナルド。トニーの方だけアクリルパーテーションが設置。前にヴォーカルがいたからかな。カマシパパは二曲目から登場、以降演奏頻度によりひっこむひともいれば、ずっとステージにいて気持ち良さそうに身体を揺らしてる。パトリスは唄わないときもほぼずっとステージにいて、笑顔で手を合わせたり天に掲げたりと、スピリチュアルなダンスを続ける。ソロは当然全員あり。誰かのソロがはじまると、フロアに見えるよう前方のプレイヤーが端に寄ったりかがんだり。こういうとこ、ジャズメンの愛だわー。DCPRG関連でもよく目にする光景です。マイルズのソロが派手でよかったな。ピチカートもボウイングもスピーディ、エフェクトも使い、アコースティックとエレクトリックのミクスチャーでぐいぐい迫る。弓が短くコンパクトに見えたのは気のせいなのかマイルズの腕が長いのか使いやすいようにカスタマイズしてるのかどれだ。ロナルドのソロはメロディが聴こえてくるようなソロでした。ソロ前のフレーズからリズム展開させていくので、聴く側の耳にそのメロディが残ってるんですよね。それを巧く利用していた感じ。BIGYUKIのソロにぴたりとよりそうロナルドのリズムもよかったなー。
「あなたたちと私は違う言葉を話しているけど、それは祝福されるべきこと。私はあなたたちを愛しているし、それは伝わると思う。音楽はそれを伝えられる」「『Truth』は5つのメロディーが同時に演奏される、皆いっしょになれる」というようなカマシのMCからのラストスパート、「Truth」〜「Wiil You Sing」〜「Fists of Fury」の流れは神がかってた。音楽はギフトで、いつか音楽で世界が変えられればというまっすぐなメッセージは、この日のライヴ全編に流れていた。
あなたの声が必要なら、私たちの歌がいつか世界が世界を変える。パトリスがフロアに向かって“Will You Sing?”と繰り返す、こちらも繰り返し応えて唄う。そっからのあのリフレイン、「Fists of Fury」ですよ! そりゃアガるわ! アガりきるっちゅうねん! 歌詞も改めて聴くと、「Will You Sing」と対になっているかのよう。いわずとしれた『ドラゴン怒りの鉄拳』テーマ曲のカヴァーです。前日観た『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が浮かぶっちゅうねん。相互効果で以後『ワンス〜』の自分内テーマ曲が「Fists of Fury」になるっちゅうねん。短絡的かもしれないけど、この流れにぶっ込まれたBIGYUKIのソロ、それを受けてのフロアの熱狂は「多様性を祝福する」象徴にも思えました。ほろり。
去り際にカマシがピースサインを掲げる。自然とこちらもピースを返す。いや〜こんなに自然にピースしたの初めてだわ。祝福の夜だ。帰るとき後ろのひとが「来年はフジで三時間やってほしいな!」つっててホントホント、それ聴きたい! て思いました。是非またスタンディングで!
-----
セットリスト
01. Street Fighter Mas 02. The Rhythm Changes 03. Abraham 04. Truth 05. Will You Sing 06. Fists of Fury
-----
・KAMASI WASHINGTON、レポート&セットリストのプレイリスト公開!┃BEATINK.COM
ツイート拝借。セットリストの画像にも20:20〜て書いてありますね。柳樂さんのツイートによるとリハ後ごはん食べにいくのが通例のようです(微笑)
|
|