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2018年05月30日(水)
KNOWER DUO SET(KNOWER × Umber Session Tribe『No One Knows』)

KNOWER × Umber Session Tribe『No One Knows』@月見ル君想フ

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Live :
KNOWER (Duo Set)
umber session tribe
DJ :
Harada Kosuke
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月見ルはあのキャパでトイレが3つもあるの素晴らしいな……(Greenroomのギャラリーステージ、ホールなのにトイレが2つしかなく長蛇も長蛇の列だったことを思い出し乍ら)とシモの話から始めてますが、ライヴ本編もシモ(後述の動画)に始まりシモ(「The Government Knows」のリリック参照)に終わった。なのに何故こうも胸がいっぱいになるの? ツアー最後の夜は、なんとも感動的なものになりました。個人的には「Window Shop」が聴けたのホントうれしかった、これかなり初期の曲なんだよね……ルイスのソロアルバムにも入ってて。どちらのヴァージョンもだいすきです。

この日は『KNOWERを囲むスペシャル・イベント』なんてものもあったのですが、仕事の都合で間に合わなさそうだったので応募を断念。通常のライヴならまあ大丈夫だけど、収録となると進行上遅刻は許されないものね。しかしこのニュースタイトル、最初見たときライヴじゃなくてファンのつどいみたいなものかと思ったよ……ともあれ映像公開を楽しみに待ってます。というわけでこのイヴェントでツアー終了と思いきや、月曜日になって追加公演のアナウンス。しかも今回観られないと思っていたデュオセット! バンドセットで観られたのはとても嬉しかったけど、デュオはまたの機会だなあ、いつになるかななんて思っていたら! イヴェント後の出演だから時間的にも間に合うと即予約です。雨のなか靴をビタビタにし乍ら青山へ。

イヴェントに参加していたポンチさんと合流、様子を教えてもらいつつセッティングを見ていると、おお、ドラムも演奏するようです。Vo × Launchpadで全編通すと思っていた。


(こんな感じでやるのかと……)

ルイスはシンセもドラムも勿論ダンスもやってまー忙しい、まーせわしない。ジェネヴィエーヴとルイスが真顔で同じ振り付けを踊るシンクロっぷりも素晴らしく、フロアがドッとわきました。ふたりの身長差がすごいので画的にも面白いしかわいい。そう、かわいい、かわいい! ステージ後方の壁面いっぱいには彼らのコンテンツでおなじみの動画、フロアはすっかりKNOWERワールドです。オープニングからアレですよ、『LIFE』のアートワークにも登場しているち◯こロケットが宇宙を旅するやつ。これ。日本CD盤ではち◯このとこにイヴェントのおしらせステッカー貼ってうまいこと隠してあったよね(笑)。赤と青のライオンやアイスをなめるいぬ、挙動のおかしなねこにおおかみ。ループ動画をバックにドバドバのEDMサウンド、ゲラゲラ笑い乍ら踊りまくった! たまらん! このVJも演奏と同期させてルイスがやってたっぽいなー。せわしない……。

そのせわしなさを象徴するような出来事が。ルイスが曲間、ではなく曲の途中でいきなりストップボタンを押し、長いMCを始めたのです。オーディエンスへの感謝、日本でCDを出せたことへの感謝。ジェネヴィエーヴの「愛してます」頂きました! 発音めっちゃ綺麗! そしてフィジカルリリースに尽力してくれた友人であり、この夜のライヴを企画したKaz Skellingtonこと渡邉航光氏(後述)への感謝。ジェネヴィエーヴが「コーキ、コーキ」とフロアを煽る。何事もなかったかのようにプレイボタンを押し、途中だった曲を再開(そう、頭に戻らないのよ)するルイス、そういうことはしょっちゅうなのか、やはり涼しい顔で唄いだすジェネヴィエーヴ。いいコンビだなー。

チープでファニー、ブラックな愛嬌たっぷり。しかしそこかしこに顔を出すのは音楽への真摯な姿勢と情熱。アッパーなナンバーが千本ノックのように続くなか、どうしようもなく沸き起こる感傷。「Die Right Now」では、ふたりが動画を撮影している様子や制作の現場に集った友人たちとのシーンが流れて走馬灯のようだった。走馬灯といえば最後に動画が逆再生されていったところも。ジェネヴィエーヴの荘厳な多重コーラスにのせて、KNOWERワールドが現実へとひき戻されていく。コンテンツのクオリティを信じ、レコーディングからミックス、マスタリング迄、そしてMV制作も全て自分たちでやってきた彼らの活動歴は決して短くない。Kazさんが「前回ここ(同じ月見ル)に彼らを呼んだとき、こんなにひとはいなかった。そして今夜ここにいたひとたち、きっと自慢になるよ。自慢にしていい」といったように、彼らをとりまく環境は急激に変化しているのだろう。このままDIYを貫くのか、それとも? シーンに属さない彼らのホームのようなコミュニティ、その未来はどうなる? 見ていきたい。

おそらく完全オフ日はなかったと思われる今回の来日。1日2ステージの日もあり、ジェネヴィエーヴは喉の疲れが歌に直結しそうな声なので、相当メンテに気をつかわないとならなかった筈。最終日は正直ちょっとキツそうだったかな。ルイスも初日観たときより頰がこけた気がする……身体に気をつけてね。今後の展開も楽しみにしてます。元気で、そしてまた来てね!

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セットリスト(こちらのツイートを参考にさせて頂きました、有難うございます)

01. Knower Rulez
02. Butts Tits Money
03. What’s In Your Heart
04. Around
05. Time Traveler
06. Gotta Be Another Way
07. Pizza
08. Things About You
09. Die Right Now
10. More Than Just Another Try
11. Hanging On
12. Overtime
13. Window Shop
14. Stay (Rihanna’s Cover)
15. Let Go
16. The Government Knows
encore
17. Cry Tomorrow, Laugh Today

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Kazさんのバンド、umber session tribeもよかった…イキのよいHIP-HOP、キレのよいラップ。途中でホーンが入り、せつなくゴキゲンなファンクナンバーに。格好いい! 面影ラッキーホール聴きたくなったよう。「ルイスはいつも俺のことを気にかけてくれる、兄みたいな存在。彼のおかげで新しい事業を始めることが出来たし、本当に人生が変わったくらいの影響を受けた。彼に日本でCDを出せないかと相談されて、わからないことだらけのなか試行錯誤していろんなところに働きかけて、リリースを実現出来た。本当にうれしい」とのこと。Kazさんは『LIFE』CDのライナーも書かれています。


今回のツアー、彼がいたからこそここまでバラエティに富んだものになったんだろうな。KNOWERを日本に紹介してくれて本当に有難う。

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・LA発超絶エレクトロ×ジャズファンク、KNOWER来日スペシャルインタビュー│Playatuner
2016年の記事、インタヴュアーはKazさん。彼らの活動歴を振り返るのにうってつけの内容です。つくづくwebのアーカイヴって有難い


追加公演の告知ツイートしたとき、ふたりともしっかりPlayatunerのTシャツ着てるんだよね。彼らのリレーションシップが感じられてジーンときた