I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
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2018年05月25日(金) ■ |
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LOUIS COLE SOLO SET |
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LOUIS COLE SOLO SET@Shimokitazawa BASEMENT BAR
KNOWERが来日しております。Thundercatがらみで知ったドラマー+サウンドクリエイター、ルイス・コールとヴォーカリスト、ジェネヴィエーヴ・アルターディによるLA発エレポップ・デュオ。動画や配信、ライヴが主な活動の場なので日本の媒体には情報が少なくYouTubeを漁りまくる日々だったのですが、この度日本のレーベルと契約し、配信のみのリリースだった2016年の作品『LIFE』が世界初CD化、それに伴い来日公演が決まりました。ウェーイ対価を払わせてくれとやきもきしていたところだったので喜びいさんで追っかけますよ!
アメリカにはもうタワレコの実店舗はありませんので嬉しかったらしい。
今回メジャー仕事とインディー仕事のオファーをかたっぱしから受けているようで、プロモーション、ソロセット、バンドセットでのフェス、単独3公演とイヴェント収録、デュオセットと怒涛の一週間。いやはやタフですね、初日はルイスのソロセットです。いやあよかった……すごく閉じててすごく開いてる。ドラマーとしての技量とサウンドクリエイターとしてのギークっぷり。自分(だけ)がわかりやすい例えでいうとスクエアプッシャーのドラマー版のような感じですわ。ソロ作品(このAmazonのレヴューを読んで知ったが『菊地成孔の粋な夜電波』で紹介されてたとのこと。調べてみたら一度や二度どころじゃなく、この数年間断続的にとりあげられてた。ラジオはなかなか聴けてないので知らなかった……はああ、繋がるもんですねえ)では内省的な美しい楽曲を発表しているルイスの二面性を観られてよかったです。
ステージにはDrsとちっちゃなKey、MacBook。ダウン着てフード被ってサングラスして出てきておもむろにセッティング開始、スネアのチューニングにかなり時間をかけてました。そのままぼそっと名乗って一曲。リズムとサンプリングした自身の声を順繰りに重ね、コーラスワークをじっくり聴かせます。ずっとこの雰囲気でいくのか? と思っていたらその後よいしょと脱いだダウンの下はSHITとプリントされたTシャツ、仕込んでる(笑)。「さっきそこで買ったんだ」とにんまり。下北ェ……。「両親が来てるのにこんな服着て!」とかいってた気がするがネタだろうか、思わずフロアを見まわしてしまいました(後日本当にご両親来てたらしいと判明)。ちなみに客層は幅広く、ジャズ畑から知ったか結構年配の男性もいらっしゃいました、スーツの。こういうフロアっていいな。
その後鉄板「Mean It」に「Bank Account」とアッパーセットをガンガン披露、インプロもどんどん挟んでいく。イントロドンで「YouTubeのやつ!」「銀行口座のやつ!」という声があちこちからあがり、笑い乍らの大合唱です。リリースされてない楽曲を共有出来ているのって強いなあ。「Thinking」も聴けて嬉しかった、いやはや盛り上がりました。ドラムアホうまい、多重演奏緻密(しかもガンガンその場でアイディア足していく)、ダンスおもろい。そう、ダンスもありましてよ。映像や画像で見る限りかなりの長身だなあと思っていたが実際そうで、長い腕と脚を窮屈そうに折り曲げて演奏する姿、ここぞとばかりに腕をふりまわすダンスとま〜一挙一動に不気味な愛嬌がある。ステージにはその日演奏するバンドの楽器が最初から全部置いてあったので、序盤スティックや腕が近くのコードに引っかかったりする場面もあってちょっとヒヤヒヤしました。ヘッドフォンしたまま立ちあがったらコードがピーンとかなってohとかいってた(笑)。
しかしデッカい手でちまちま弾かれるちっこいキーボードからはブリブリのどファンクグルーヴ、コンパクトなバスドラからはツインペダルかと思うような(覗き込んで確認しちゃったよ)連打連打。メタルか。そして歌がよい、声がよい。物憂げなファルセットに低音のラップ、性急なリズムに荘厳なハーモニー。なんだかディズニーの『ダンボ』に出てくるピンクの象を思い出して夢見心地になってくる(この例えも自分しかわからん。すみませんね)。悪夢と紙一重ですな。観客とコミュニケーションをとるべくいろいろ話したり煽ったりもするけれど、演奏に集中するとまた閉じていく。ヘッドフォンを片方だけして演奏してた途中で音を拾い切れなくなったのか(まあフロアも大騒ぎでしたので)「ごめんやっぱヘッドフォンする!」と両耳塞いだあとの豹変ぶりには好感を持ったというか、むしろ惚れた(笑)。
歓声をひとしきり受けたあと、いそいそと自分で撤収してる様子も微笑ましい。スティックは何使ってるの? とか明日のGreenroom行くよ! とかいろいろ話しかけられてましたが、急に声かけられると一瞬ビクッとして即ファンとの交流仕様に切り替えるスイッチが見えるような挙動にますますギークみを感じたのでした。いやーいいもの観た。それにしてもマルチにも程があるな。ドラムを存分に聴きたい反面あの歌声もじっくり聴きたい、ビートトラックも堪能したい。とてもじゃないが一本のライヴだけでは全貌が見えない、しかしそのひとつひとつが魅力的。こういうところにもトム・ジェンキンソンを連想したのでした。
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・Mean It - Louis Cole (ft. Sam Gendel)
サム・ゲンデルにも来てほしかった!
・bank account (short song) - Louis Cole
銀行口座のやつ(笑)
・メモ的に。スクエアプッシャーに通じるものがあるというのは一応根拠がありまして、その二面性や長身(笑)、スタイルだけではなくそもそもスクエアプッシャーのリズムはジャズドラムからインスパイアされているんですよね。当時のインタヴュー↓
レコードを紹介したあとバディ・リッチの演奏動画も流れます。一聴瞭然。ルイスもジャズに基盤がある(お父上がジャズミュージシャンってところも共通してますね)し。こうなるとShobaleader Oneの楽曲ちょっと叩いてみてほしいですわ、アダム・ベッツと叩き合ってほしいわ(笑) 久し振りにこの動画観たがトムちん若いわー、21歳。手首ほっそい! 指ほっそい!
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さて、このイヴェントはZA FEEDOのレコ発パーティにルイスがゲストで呼ばれた形。失礼乍らルイス以外の出演者には全く予備知識がありませんでしたが、主催のZA FEEDOも、OAの木(検索泣かせなバンド名ね……アンダーグラウンド気質だなあ)もDJの高崎アフィもとてもよかった。アットホームな雰囲気で楽しめました。
ちなみにZA FEEDOのとき何曲かジェネヴィエーヴと並んで観ました…隣に来てヒイッとなった……私(154cm)と同じくらいの身長だった、てかもうちょっとちいさいかも。Tシャツとふわっとしたスカートの普段着でかわいかった! ステージを見ようと爪先立ちしたりピョンピョン跳んだりしててわかる、わかるよと思った(低身長の共感)。パーティを楽しんでたようでよかったよかった、明日楽しみにしてますよと念を送りました。
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