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2014年10月26日(日)
『霊感少女ヒドミ』

ハイバイ『霊感少女ヒドミ』@アトリエヘリコプター

ゆるりと始まる上演中の諸注意に、前日観た吹越さんを思い出す。吹越さんが出演した『ヒッキー・ソトニデテミターノ』、よかったなあ。

ヒドミを観るのは二年振り。このときムーチョ村松さんが映像を引き受け、テクニカル面含め初演からヴァージョンアップしたと言うことだった。今回はそのヴァージョンアップ版を再演。キャストは平原テツ以外一新。劇場周辺の映像は、ちゃんとアトリエヘリコプター仕様になっていた。「エイリアンズ」の“公団”シーンは、勿論小竹向原。出演者も変わっているので、その辺りも撮りなおしている。プロジェクションマッピングもよい効果。所謂幽霊がいると言う演出として、ストーリーと分離せず機能している。

そうなのだ。やはりストーリーがすごいのだ、この作品は。勿論このストーリーにこの演出を施して上演する、と言うスタイルも見事なのだが、今回は改めてホンに衝撃を受けた。あの霊感バイオレンス恋愛模様が「エイリアンズ」を境にぐるりとひっくり返った途端、登場人物たちの「嫌われるのが怖い」と言う思いが露になり、その果てに覗き込む死はすぐにずぶりと脚を掴んでくる。何故ヒドミは自分の部屋に違和感があるのか、何故三郎はヒドミがいたらしい部屋にいるのか。その意味に気付いたとき、ヒドミが見たような気がした「電車の窓を開けて飛び降りた自分」は、果たして誰が「見た」のか、と言う鳥瞰の視点が現れる。岩井さんがツイートされていたこの方の感想が見事にストーリーの核心をついており、その読み解く力に脱帽。リンク張らせて頂きます。2012年公演の感想です。

・ハイバイ『霊感少女ヒドミ』 - 青春ゾンビ

この作品がハイバイのレパートリーとして繰り返し上演されているのは何故か。ハイバイの、岩井さんの世界が詰め込まれているからだ。

やっぱり岩井さんはすごい、そして恐ろしい。

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この三日で観た四本は、自分のなかではちょっとずつ繋がっている。偶然だけど面白い。異性愛者と同(両)性愛者の三角関係、殺人、死と生の境(彼岸と此岸)、シャム双生児、台詞を話すダンサー。舞台における映像の扱いの難しさと、それが見事にハマッた作品を観たときの、目から鱗の落ちっぷり。