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2014年07月21日(月) ■ |
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『七月大歌舞伎』昼の部 |
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『七月大歌舞伎』昼の部@歌舞伎座
さて昼の部。市川右近さんと笑三郎さんの『正札附根元草摺』から。今回尾上右近さんと市川右近さん両方出演されてるので、「右近さんが…」と言うとどっちの右近さんか判らなくなるのねー。今回市川右近さんは昼も夜も踊りが中心、気になっていた故障も問題ないようでよかったよかった。
そして『通し狂言 夏祭浪花鑑』。なんだかんだで『夏祭浪花鑑』自体が初見だったのですが、今回通しで見せてもらえたので話が頭に入りやすかったです。終盤の大立ち回りに到る迄の登場人物の関係性や、心情の流れを理解するのに通しはいいですな。
しっかし、しっかし、猿弥さんの一寸徳兵衛が格好よすぎた。こんなに格好いい役を演じる猿弥さんを初めて観た…猿弥さんに関しては『黒塚』で演じたの強力のイメージがすっごい強いもんだからビックリした(笑)。あのーあれですよ、強力ってのは、岩手に見るなって言われてたのに閨の内覗いちゃってキャーッて大騒ぎしてごろごろ転がるひとですよ…夕鶴の与ひょうとか浦島太郎みたいなもんで、おまえが! 約束を守らないから! 余計なことするから! 妖怪だって妖怪のままで穏やかに暮らすことも出来た筈なのにー! おまえのせいで!!! ……はあはあはあ、思い出してまた強力にイライラしてきた(笑)それくらい刷り込みなんですよ!
閑話休題。そんなおっちょこちょいな強力に代表される、愛嬌ある間の抜けた子の役がすごい似合う人情派なイメージが猿弥さんにはあったので、こんな直球で二枚目な役が! しかもそれがすごく似合う! で、人情派な面はしっかり活かしてて、任侠も見せてくれて…おえーい惚れなおした。衣裳も海老蔵さん演じる団七九郎兵衛と色違いの同じ柄だったりして、もうめっちゃ粋。海老蔵さんがの柿色の格子、猿弥さんがの藍色の格子で夏らしい涼しげな浴衣です。眼福。この柄、「団七縞/一寸縞)」と言うそうです。
・伝統芸能愛好家の日々 こちらに紹介と画像。猿弥さんが実際に着ていたのはもっと水色に近い鮮やかな藍色でした
・空いてる時間に,ABKAI 市川海老蔵オフィシャルブログ 丁度ツーショットがあった。海老蔵さんのブログ更新頻度すごいからあっと言う間に埋もれてしまって探すのたいへん(笑)
・絵本太功記・夏祭浪花鑑|文化デジタルライブラリー 文楽の衣裳も同様なんですね
終盤の屋根の上での大立ち回りも格好よかった、猿弥さん…傾斜あるし、以前菊五郎さんが「この屋根滑る、危ない」と言っていたのをTVで観たことがあるのでドキドキした……怪我なく千秋楽を迎えられますよう!
中車さんの三河屋義平次はも〜、現代劇でもそうですが香川さんてなんでこう、いや〜な役をやらせるとキラキラ光るのだろう(笑)ほんっと虫酸が走る程いやだったわ…歌舞伎なのに「毒親」って極めて現代的な言葉を思い出すくらいだったわ……。『法界坊』ばりの長い格闘の末、団七九郎兵衛に殺されるんですが、もーそのどろんこプロレスっぷりがすごかった。あの「きたない!」と評判になった龍馬伝の弥太郎ばりの汚さだった…どろどろ。近寄らないでええ! と叫びたくなるような。そんな様子で団七につかみかかるもんだから、前述の団七縞の浴衣を汚さないでえええ! とヒーッてなった。てかどろレス始める前からきったなくて、登場からウケていた。またうっざい芝居するのよ〜(笑)最高でしたわ。
で、『法界坊』が勘三郎さんを観た最後だったなあとふと気付いてしみじみした。
あと気のせいかもしれないけど今回附け打ちの音がすっごく大きく聴こえた。結構若い方が担当されていたように見えたので、その力具合があるのかな? 音が通る位置の座席だったのかも知れない。
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