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2012年01月29日(日) ■ |
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『青春漂流記』 |
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劇団鹿殺し『青春漂流記』@紀伊國屋ホール
開演が一時間遅れ、本番中に地震があると言うハプニング続きでしたがいい千秋楽でした。
入場すると随分静か。時折思い出したように音楽が鳴り、あ、そうか客入れの音楽がかかってないんだ、と気付く。そのときは単に演出なのかなと思い、チラシ束を眺めていると鹿殺しの面々がTシャツ姿で出て来た。音が鳴らない、我々は音がないとどうにもならない芝居をしているので、音響機材を交換して復旧させる、よって一時間開演が遅れるとチョビさんが恐縮しきった様子で話す。他の劇団員も申し訳なさそうにしている…門人くんは手を合わせてごめんなさいごめんなさいと言う仕草。本番に合わせて丁度よく動けるようにアップしていて、もう身体は出来上がってるんですけど、また一時間後にも合わせてきますので!とチョビさん。
と言う訳で一旦解散、お茶などしつつチケットとってたのに行けなかった(まあ自分のミスでダブルブッキングしちゃったからだけどな…)『十一ぴきのねこ』の話等を聞く。はああ、観たかった。
さて戻って開演。こういうのってアスリートと同じで、身体と緊張感をピークに持ってったところで腰を折られると言うのは演者にとってとても厳しい状況な訳ですが、そこは皆さん集中力を切らせない仕事っぷり、素晴らしかったです。そしてその「皆で力を合わせてアクシデントを乗り切る」様子に劇団っていいなーとしみじみ思ったものでした。青春と言うもの、人間関係や環境の変化や、さまざまな困難に直面し挫折を経験し、それでもいつかこのひとたちと逢えてよかった、あの日々を一緒に過ごせてよかった、と思える予感。「あ〜あ」と嘆き乍らも、前進しようとするラストシーン。その姿を眩しく感じました。
彼らの指針ともなるような年長者を客演に迎えるのは『岸家の夏』同様。高田聖子さんは笑顔の裏にある苦しみや悲しみを表現する力量も、過呼吸になりそうな運動量と台詞量を笑いに転化するさまも、レオタード姿になってしまう潔さも(笑)全てが格好よかった。廣川三憲さんのジョージ・イソノも妙にあのヴィジュアルが似合っていた…なんだ、本家には及ばないとしても(某ボーイジョージさんね)あのヘアメイクは顔が大きいと映えるんだな(笑)。
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