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2010年09月11日(土) ■ |
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『みんなのサザエさん展』 |
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『みんなのサザエさん展』@世田谷文学館
作中に登場し、今はその姿を見ることが出来ない街の姿。昭和をいろいろと振り返る。
長谷川町子さんが描かれた絵画や陶芸品の展示もありました。『サザエさんうちあけ話』で、長谷川さんがマンガを描くのがイヤになって連載を休み、その間趣味に没頭していたら家族に「何をやってもうまいわねえ」「天才!」等とほめそやされてアホかと我に返り仕事に舞い戻る…と言うエピソードがあったけど、その実物を観て、いやいや家族の言うことはおだてでもなんでもなかったんだわねと思った…。こどもやどうぶつの姿を写しとる繊細な描写力がすごすぎるー。そしてマンガでもそうだけど、とにかく線が細くて均質。マンガ原稿の方は、初期の作品ではペンのタッチを活かしている(ワンストローク中の筆圧の変化で細さや太さを変えている)んだけど、途中からまったく同じ太さ(これがまたほっそい)の線になってて。つけペンとは思えん…すごい……。あと画面構成も見れば見る程見事。
作品中に出てくる洗濯機やTVは今のそれとは随分姿形が違う。その当時の実物も展示されていました。冷蔵庫は氷を使うものだったり。自分でも実際に使っているところを見たことがないものも結構あった。それだけ連載が長かったんだよなあと思ったり。そして長谷川さんが亡くなってもう18年なのです。昭和も遠くなっていく。憶えておきたいな。
同じ世田谷にある長谷川町子美術館との連携企画だったそうで、8月迄は往復シャトルバスが運行していたようです。建物のあちこちにサザエさん貯金箱が隠れていたり、サザエさんの頭のシルエット(大きい!)をくりぬいたものを貼り付けていたり。ここって設営がてづくりな感じに溢れていて、そういうとこも好きー。ちっちゃい子が来ることも想定して展示に興味を持てるようにしているし。クイズ作ったり、その解答シートを塗り絵にしたり。『もやっとクイズ』と言うものもあり、なんと言うか『モヤモヤさまぁ〜ず』みたいな問題だった(笑)。「この給食おいしいと思う?」とか「TVは昔白黒だったんだよ、信じられる?」とか。明確な答えを求めていなくて、うまいこと感想を導き出す感じのもの。展示物のキャプションも、大人用とは別にひらがな多めで文体も判りやすいものが併設されていました。
そして関連イヴェントで小林顕作さんの読み聞かせとかあって驚いた…今こどもたちの間では「オフロスキー」(NHK教育『みいつけた!』に出てくるキャラクター)として人気者だとか。参加型で、こどもたちがサザエさんの登場人物になれるものだったみたい。
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