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2009年11月07日(土) ■ |
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『THE OUTLINE 見えていない輪郭』 |
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深澤直人 藤井保『THE OUTLINE 見えていない輪郭』展@21_21 DESIGN SIGHT
プロダクトデザイナー深澤直人さんの作品約100点、それらを撮影したフォトグラファー藤井保さんの作品約70点。
磨きあげると艶がマットになる。輪郭が空気に融けていく。深澤さんの作品って、つやつやの硬質に見えると同時にふわふわのお菓子のように見えることがある。あの有名な加湿器とか、発酵したパン生地みたい。なんかいろいろ通り越して「うまそう…」と思うことすらあるんですが、ご本人が作品に添えたコメントに「これはチョコバーをイメージ」「飴をなめたような輪郭」と書かれていて、わー合ってたー!(笑)と思ったり。一枚用トースターについていたコメントがじんわり来たな。そういう生活ってのがいいもんでしょうって言う。基本さわれない展示だったけど、椅子数点は実際に座ってもいいようになっていて、嬉しくて全部座ってきた。
藤井さんの、リトグラフや絵画のように見えるマットな質感の写真は観ていて飽きない。撮影スタジオの実寸再現セクションがあり、照明ディレクションについての説明を読みつつファインダーを覗けるようになっていたのだが、いやはや目の前の実物とファインダーに映し出されているものは同じものである筈なのにまるで違うものに見える。…と言うか、なんだろなー、プロダクトとしては椅子であるのに、ファインダーの中にあるそれは椅子と言う意味付けがなくなっている物体のようであり、しかしラインは座るための曲線なんですよ。何言ってるか自分でも解らない(笑)。ボールペンやスタンド部分を逆光モノクロで撮った写真の、光をまとったそのラインも、それが光だって意味付けがなくなって、美しい甘い輪郭のラインに見えてきて、それがまーなんつうか観てるとうっとりしてきてしまい、気付くとすっっっごい時間経ってた。こ、怖い!
会場を出たらとっぷり日が暮れていました。
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