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2009年04月04日(土)
『蜉蝣峠』

いのうえ歌舞伎・壊(Punk)『蜉蝣峠』@赤坂ACTシアター

あっはっは、ふるちんがふるちんだ。以下ネタバレあります。って、これもネタバレか。

まあそれはいいとして(よくない)クドカン脚本のいのうえ歌舞伎です。このふるちんやうんこ投げ等、一幕の男の子的な下ネタはこのひとらしいなーと言うところ。しかしPunkと言うからには中島脚本とはかなり趣を変えてくるかなとの予想を裏切り、結構歩み寄りがあったような印象です。クドカンの作品にしては珍しく、ストレートにウェット。器用さが作用したかな、と思いました。

とは言え、比べるのもなんですが、この台詞運びやテンポ、タイミングの噛み合いを大人計画の面々がやったらガチッとくるだろうなと感じた部分がちょこちょこあったのも事実で…クドカンと新感線が組むのって何本目だっけ?こんなふうに思ったのは初めてです。そして個人的にいちばん胸が躍ったのが(笑)じゅんさん逆木さんインディさんと言う新感線メンバーのパフューム(と勝手に呼ぶ)シーンだったんですよね。いやあ、これ曲もアレンジも絶妙でした。振付けも最高。

今迄クドカン脚本いのうえ演出で新感線が、とか大人計画が、とか意識的に感じたことはなかったのだが…うーん何故だ。いや、すごくいい舞台だったんですけどね。体感時間短かったし。一途で弱みを見せる古田さんと言う珍しいものも観られたし。いやーあんなに甘えたさんの古田さんは初めて観たと言ってもいい。お泪とぐだぐだになったまま寝ちゃうとことか、妙に生々しかった(笑)あっ、この生々しさもクドカンにしては珍しいのではないか。ここ茶化さなかったしね。この生々しさやウェットさ、心情を素直に吐露してしまうところが台詞の美しさを際立たせてもいました。人間になんて生まれなければよかった、人間に生まれたからひとでなしなんて言われちまう、しかし死ねば人間はひとでなくなる、皆仏になる。なんて台詞を、一幕でふるちんだったりうんこ投げたり着ぐるみで卵生んだりしてるひとが言う訳ですよ。そこがさりげなくとも感動的でした。

と言う訳でこう…混乱したまま観た感じだったんですが、新感線ならではの殺陣や演出はもう瞬きするのも惜しい程目を見開いて観た。あの緊張感、血が騒ぐシーンが連続する終盤はもうたまりません。特に古田さんと堤さんが一瞬だけ手を組んで闘うシーンがあるでしょう、もーそこがね!あっと言う間でええっもっと観たい!と思ったものでした。あそこねえもんどりうつ程嬉しくて同時にもどかしかったよ!目が4つくらいほしくなるね!どっち観りゃいいんだよ!同時にやるなよ!(泣)古田さんの殺陣ってほんとキマるなあ。刀を使わず、両手に下駄を持って闘うシーンがまたいい。殺陣に入る前の一瞬、敵方を睨みまわすような間があるのですが、その無言の迫力と言ったら。あれは怖い、斬り掛かったら殺されるの明白。と言う程の凄みです。そして堤さんの色気のある殺陣も映える映える。いやーもうゾクゾクする程の眼福でした。

そして盲目の目撃者、がめ吉役の善さん!いやもうこのひとがおむすびにぎると必ず悪いことが起こるので、最後に闇太郎とお泪を逃がそうとなった時に「あーきっとおべんとう持たせる!てことはおむすびにぎる!てことはきっとふたりはもう会えない!」とは思ってその時点でもう泣きそうになってたんですが、ああいう風にがめ吉自ら決着をつけるとは思わなんだ。ビックリして涙も引っ込んだわ…その分心にぐさーときましたよ……。じいさんで、盲目で、一歩退いた静かな役どころでしたが、善さんがいることでストーリーに重量感が加わりました。格好よかった。

それにしても勝地くんはいい舞台役者になりましたねー!(えらそう)じゅんさんや聖子さんと堂々と渡り合っていた。『シブヤから遠く離れて』『KITCHEN』以来だったので4年振りに観たのですが、台詞が身体を通ってる感じといい、動きの滑らかさといい、お見事でした。木村くんもよかった。

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■終演後
劇場を出たら丁度赤坂マラソン真っ最中で大混雑。猫ひろしが走って行くのを見ました

■帰宅後
日テレで『イケ麺そば屋探偵』やってた。さっき観た闇太郎と同じ人物とは思えない古田さん。役者ってすごいですね…いつも思うが古田さんは舞台で観ると何故あんなに格好いいのだろう

■と言えば
闇太郎って名前、吉祥寺の闇太郎(呑み屋)が由来かなーと(笑)クドカン確か吉祥寺在住ですよね