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2005年09月24日(土) ■ |
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『吉原御免状』 |
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いのうえ歌舞伎『吉原御免状』@青山劇場
おー面白かった!新感線はホントに燃費がいい。退屈させない、豪華絢爛、贅沢な時間と空間の使い方。男はどこ迄も格好よく、女はどこ迄も美しい。そしてひとの中には間違いなく鬼が棲んでいる。後味は正直悪いが爽快でもある。まああれだよね…ひとってひとの死を犠牲に成り立っているよね…。万人に優しいってのは悪ですよ!
重いテーマをわかりやすく、そしてエンタテイメントとして提供するってことがどんなにエキサイティングなことで、そして難しく、過小評価されるリスクを持ちやすいか。そういうことも考えた。
『阿弖流為(アテルイ)』に通じるものがある。出自が命を左右する、単一民族と言うことが意味を成さない争い、理想を現実にする為の戦い。逡巡にまみれながらアテルイを討つことになった坂上田村麻呂を演じていた堤さんが、今回アテルイの側を演じている。そして『吉原御免状』には、田村麻呂の役回りがいない。孤立無援とも言える戦いかも知れない。
『阿弖流為』は9.11の影響が結果的に色濃く出たものではあったと思うが、今回も現在に繋がっている。中島さんの筆の冴えっぷりは正直怖い。
偶然だとは思うけど、昨年『浪人街』が上演されたこの劇場でこの作品が上演されたこと、そして『浪人街』主演の唐沢さんが現在『天保十二年のシェイクスピア』をシアターコクーンで演じていること、と言うのが象徴的なことにも思えた。堤さんと唐沢さんがまた同じ舞台に立つことはあるだろうか。あるとすれば作品は何だろう、そして演出家は誰だろう。
『〜シェイクスピア』は来週観に行く。前述の“わかりやすい”と言うのは常に蜷川さんが演出する作品に関して思うことだ。そしてその手法を私はとても好きだ。またいろいろ考えるだろうな。楽しみです。
それにしても今回最前列がとれてしまいビックリした…新感線がらみで最前とれたのって、青山円形でやった『スサノオ』以来ですよ…近過ぎて目が潰れる!ドライアイス攻撃、照明攻撃、出演陣の美麗ビーム攻撃で腹いっぱい胸いっぱいです。善さんのパンツも拝めました。終盤堤さんの手に血が付いていたんだけど、返り血(のり)なのか自前だったのか…。毎度の如く素晴らしいスピードの殺陣なので、怪我等なく終えられるといいですね…。
あーそれにしても堤さんは黒目部だ。ステキだねー!天使と修羅だねー!けろけろっとした顔でバッサバッサとひとを斬るさまは恐ろしいねー!
はーそれにしても(しつこい)皆美しかったよ。なかなか咲かない死に花。いい言葉だ。死んじゃダメだよ。古田さんが茶化さず最後迄悪だったのも、ここ迄くると爽快です。あー嫌な奴だったよ!地か!(笑)
女優陣は皆素晴らしかったんですが、特に聖子さんの美しさがもうっ!もうっっ!!もうっっっ!!!台詞にもある通りホントに人魚の肉喰っただろ!ってな美しさですよ!もはやもののけの域!ぎゃー助けてくださいー(土下座)そんな妖しさダイナマイトの聖子さんの生背中をあんな近くで拝めてしまい、老後の楽しみが増えました。いい思い出になりました。
余談。現在のヘヴィロテがNINとAPCでして。銀髪、背中一面の龍(蛇だったっけ)の刺青(追記:聖子さんのは観音の刺青だったそうです。メイナードは蛇)って聖子さんの出で立ちが、まっさっにっメイナード@APCと被ってて!あのシーン、自分内BGMは「JUDITH」でしたよ!(知ってるひとにしか判らないこの説明…すんません)ひとりでニヤニヤしていました。
あーAPC観たい。でも活動休止状態か今…ホントにメイナードはAIC再結成に参加するのかなー。と全然関係ない話題で〆ます(笑)
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