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2004年02月08日(日)
『カメレオンズ・リップ』

シアターコクーン・オンレパートリー2004『カメレオンズ・リップ』@シアターコクーン

堤さん久々の舞台、ケラさん初のコクーン、豪華キャスト…そりゃ期待も高まりますよ。ホンットに今回チケットが取れなかった…と言う訳で当日券並び。ケラさんの舞台はなるべく後半に行った方が賢明なんですが(苦笑)ただでさえ今回チケットがない上、日が進むにつれリピーターが増えるだろうから今のうちに行っておこうと言う狙いだったのですが…まさに!これ絶対リピーター増えるよ!以下相当ネタバレしますので未見の方は注意、ほんっとに注意。これから観る予定のひとは読まない方がいい!








え〜と結局、父親と愛人を殺したのは誰だったの?台詞上で明らかにされているのは以下。

・姉(ドナ)が殺した(世間的な見解)
・母親が殺して、姉に罪をなすりつけた(弟談)
・弟(ルーファス)が殺したのを姉が庇った(姉談)

ええと、これだけだったよな…つまりは誰がいちばん嘘つきだったのかってことなんですが。観終わった時点では話の流れにのったまま「姉が殺したんだよな…?いやでもやっぱ弟か…?」とモヤモヤしてたんだけど、帰り道つれと話しているうちに、やっぱり弟がいちばんの嘘つきだったんじゃあと…つまり犯人は弟で、母親が姉に罪をなすりつけたと言うのも嘘。冒頭、姉が生まれながらの嘘つきだったと言う話も弟の仕掛けで、生まれながらの嘘つきは実は弟の方だったんじゃないかと…メディア情報で「堤さんは嘘が下手な詐欺師の役、深津さんは生まれながらの嘘つきの役」って出ていたのも狙ってのことだったんじゃないかと〜。ち、違うか?違うか?ドナが生きてんのか死んでんのかも微妙なとこですよ。明解さはない。

ケラさん曰く「文系のコン・ゲーム」。確かに!騙される面白さもあるけど、正解がなくても構わない=割り切れない=やりきれなさ満載です。真実と事実は違うってことかな。『フローズン・ビーチ』を思い出した…このやりきれなさ。最近のケラ作品は、すっごい笑えるんだけど絶対最後はやりきれない思いを抱えて劇場を出るんだよなあ。『三人姉妹』の挿入も効果的でした。

AがBの問題を解決するために奔走してる間に、その問題を片付ける迄もない結果が出てしまったりってパターンもよくある。その結果ってのがBの死で、それをAは知らないまま幕が降りるとか。今回Aは生瀬さんなんですが。もうこれすっごー切ない。こういう展開、好きなんだけど痛いです。あと弟は姉のカラダを知ってるのに夫は知らないとかさあ、ここらへんも生瀬さんの役回りがさ!もうさ!(泣)あ〜もうどうネタバレすればいいかも判らなくなってきた。

そういや隣の席のひとが「生瀬さんてさあ、あんなだけど格好いいよね〜…」だって…。「あんなだけど」て!あんなだけど…そうね、あんなだけどね……(笑)いやマジで格好いいです。声も立ち姿もいいんだよね〜。

ケラ演出で中越さんの装置が観られたのは新鮮だった。雨使いが美しかった!ストーリー的には中盤ちょっとユルいところがある(まあこれはケラ作品では故意のものなんですが。ユルいのが故意ってんじゃなくて、本筋と関係ないと思われるエピソードがてんこもりのとこがね。で、後述するけど、ナイロンでやったらこう言う部分も間延びしないじゃないかな)んだけど、この雨のシーンで帳消し。こんなに美しいのに悲しいキスシーンはもうね〜、もうね〜!(泣)もうすげえやりきれなかったよ…。

役者陣は流石のメンバー、1週目とは思えないくらいの出来。ナイロンの役者さんだったらこの台詞もっと笑える(役者の見せ場に持ってこれる)よなあ、と思う箇所もあるにはあるけど、そうではないところの見せ方がやはりいい。う〜ん、やっぱり今回は、よりほろ苦なストーリーだな。切ない。切ないばっかり言ってますが。

最後に気になるところをひとつ。最後のシーン、ドナとエレンデイラはどうやって入れ替わった!?ドナになってからの女性は深津さんのダミーだったのかなあ…顔見せなかったし。あの早変わりは1人じゃ出来ないよね?気になる!ここだけでももう一度観て確認したい〜!

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■ちなみに
当日券は、発売1時間ちょい前から並んで補助席でした。最後の2席だった(2階席最後列)…すべりこみセーフ。3時間↑の上演なので、立ち見のひとはキツいかも。体力つけて行きましょう(笑)

■あと
セットの配置上見切れる箇所が多いです。物語の展開に関わるような、すっごい重要なところが見えない、と言うことはないと思うけど、小ネタが見えないのは寂しいかも。生瀬さんがぬいぐるみを人質にとるシーンまるまる見えなかったよう(泣)

■それにしても…
最前列4席も空いてやんの。転売で浮いちゃったんだろうなあ、勿体ない…

■いきなり本チラシかい!
仮チラってあったのか?『ダム・ウェイター』。いい感じの宣美よ〜。演出以外のスタッフはどちらも同じメンバーなので、基本的にセットは同じなんだろう。演出ふたりはどちらも装置にかなりのこだわりがあるだろうひとなので、この縛りは興味がある