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2003年01月26日(日) ■ |
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『桜の園』楽日 |
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シアターコクーン・オンレパートリー2003『桜の園』@シアターコクーン
出来としては初日とあまり変わらなかった印象。逆に言えば初日の時点で完成していたと言うことか。当然と言えば当然だが、実際あのクオリティを初日から提示出来るカンパニーは少ない。プロの仕事です。
照明が毎回素晴らしいこのカンパニーだが、今回も窓の隙間から入る明かりや、パーティシーンでの燭台の暖かい明かり、ラストシーンの死の臭い漂う明かりと変幻自在。コクーンの建物の色も映える。温度が自在に変わるようだ。派手ではないが用途を熟知されている。とにもかくにも素晴らしい。
トロフィーモフはアーニャとともに未来を明るく見つめ、これから訪れる新天地へ希望を馳せている。理想論をぶつがうだつの上がらない万年大学生で、魂は美しいが日々の生活をこなすには頼りない。いずれはアーニャに踏み台にされる可能性もあるこの役は、蜷川さんがチェーホフ作品群の登場人物中で魅力的だと言う、トゥーゼンバフやトレープレフと同じ立ち位置とも考えられる。それを演じたのが高橋くんだと言うことも、何か意味があるような気がする。実際彼はトゥーゼンバフとトレープレフを過去に演じている。
高橋くんはいいツラ構えになっていた。アンコールでの笑顔も初めて観た。今迄は役をやり遂げたと言う安堵か放心の表情しか見たことがなかった。これで最後と言う覚悟の上の晴れ晴れとした顔なのか、もう逃げないと言う顔なのかは判らない。次作の予定は未だ伝わってこないが、待っていようと思う。とにもかくにも復帰おめでとう。
アンコールは5回だったかな?スタンディング・オベーションも、蜷川さんの登場もあり盛り上がる。劇場を出たのは17:00、予想通りだ。さあ舞浜へダッシュだ!
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