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2002年08月24日(土)
テアトル新宿祭り

本日は大森南朋くん出演作品・ダブル初日で入り浸り。

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『DRIVE』@テアトル新宿

SABU監督にしては結構間が空いた、2年振りの新作。

実は『MONDAY』を観て気になっていたのが「とっかかり(ストーリーのアイディア等)はとても面白いものなのに、その面白さが最後には『…?』になってしまう」と言う部分。うーん、何て言うのか、「そう終わらせていいのか?」と引っかかってしまうのだ。途中迄が息もつかせぬ展開でとても面白いものなので、その分ストーリーの幕切れに「勿体ない!」と思ってしまっていた。

今回はうまく収束していた。スッキリ映画館を出られた。その分かり易さは、現実離れを起こすもので、しかしそれが映画としては「映画だからいいじゃん」と言う了解のもとに成り立っている。それをよしとするかどうかは、勿論個人の好み。今回は私はオッケーだった。

堤真一さんの暗部が顕著。時々力が入りすぎてしまう印象があるのだが(特に舞台では)、今回はいい脱力さ加減だったと思う。終盤近く迄殆ど派手な動きがなく、目に余裕がない、頭痛持ちの几帳面な男がズッパマっていた。最後の晴れ晴れとしているけど、ちょっと弱気な笑顔が印象的。

パンク説法格好よすぎの寺島進さん、イラツキの裏には…?の安藤政信くん、何故あんなに必死だったのか…の大杉漣さんら、強盗3人組もチャーミングで良かったな。登場人物の裏事情の見せ方がうまくまとまっていた。特に安藤くんのパート、短いカットをパパパッと挟み込んで一気に見せる小気味いいテンポは気持ちよかったなー。

それにしてもキャストの豪華なこと!冒頭の松重さんにはじまり、動かない筧利夫さん(これは貴重!)、松尾スズキさん、菅田俊さん、大森くんの『殺し屋1』組、ジョビジョバ一気使い(笑)、麿赤兒さんに田口トモロヲさんのおいしいとこどりetc.終始映画館は爆笑の渦。松雪泰子さんのどビッチっぷりも惚れました。格好いい。あと根岸季衣さんサイコー!

映写機トラブルで途中10分程中断してしまい、お詫びと言うことで無料チケットが配られた。ラッキー。


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『夢なら醒めて……』@テアトル新宿

予定だった大森くんの舞台挨拶は、撮影スケジュールが変更になったそうでキャンセルに。残念(泣)でもメッセージを届けてくれていて、それを司会の方が読み上げてくれて嬉しかったな。三重の山奥にいて、雨にやられたそうです。何撮ってんだ。

さて大森くん演じる利彦は、思い詰めっぷりがヤバい方向にいく、しかもそのヤバさを本人に説明してもきっと解って貰えないと言うか、どう言っても堂々巡りにしかならない感じでそれがますます困ると言うかヤバい。脳の翻訳機能のズレが顕著な訳です。本来はその“誤訳”をお互いうまく利用しつつ人間関係を保てるものなのだが、彼が相手だとそううまくはいかない。公園での利彦とアイの会話にそれがよく出てましたが。

その分なんだか可哀相と言うか、ああ生きると決めた一途っぷりには感動すら覚えましたが、自分は関わりたくありません(いや役がですよ)。本人は幸せだったんだろうけどね。しかし「悲劇で終わらなければならない」と言う台詞はひっかかった。結局は自分の都合な訳です。それをストーカーと言えばそうかも知れない。

実は原作を先に読んでおり、どうやるんだこれと思っていたのだが、原作は「変身する迄」、映画は「じゃあ変身した後はどうする?どうなる?」と言うふうにうまく膨らんでいて面白かった。

劇中何度も流れる主題歌(今も頭ん中まわって仕方ないよ!)に、冬の東京の風景を何シーンも見せる情緒溢れる画も魅力だった。サトウ監督の、ひとを甘えさせないロマンチストっぷりが出ていたような。

硬派なマネジャー戸田昌宏さんとその妻渡辺真起子さんがよかったなあ。どちらも周りが見えていない。夫は妻が見えていないし、妻は夫以外のことが見えていない(ように見える)。その狭量さに、利彦に通じる恐怖を感じた。彼等はあの後どうなるのだろう。