2014年06月02日(月) |
地域の古老を誰が努めるか |
葉山。
CSR−企業の社会的責任−として、 気もちよく誠意あるIさんと仕事。
仕事といっても、山の中を一日中歩き回るのだから、 ハイキングとほとんど相違ない。 大企業の人とビジネスだというのに、のんびりしている。
一緒に鳥の声を聴き、風を感じ、上り坂では汗を流す。 昼時になれば、腰かけて握り飯をほおばる。
地元のおじいさんが、親しげに声をかけていく。
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「市民と企業が一体となった」、という言い回しを、 実はもう先から、疑わしく思っている。
市民と企業は一体になれない。 背負っているものが根本的に違う。
市民や市民からなる地域のコミュニティは、 「そのコミュニティに存在する以上逃れられない責任」を、 地縁血縁、あるいは個人として背負っている。 「自分は担当を外れました」ということはできないんである。
そうだから、こうした地縁血縁、あるいは個人的な親しみを感じる間柄だけに許された親密なコミュニティへ企業の「担当者」が入ってくることに、 私は違和感を感じるのだ。
どんなに親しげな風にされたって、 他のメンバーと同様にすることはできない。
CSR推進担当者は地域の古老になれないし、なってはいけない。 もっというと、そうならないように未来を創るのが企業の本当の役割だ。
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企業が本気で地域貢献をするのだったらば、 社員のそれぞれの地域活動を認めればいいのだ。
部下がPTAの会長を引き受けたら、町内会の会長を引き受けたら、 マンションの管理組合の役を引き受けたら、 それを業績評価に反映するぐらいのキップのよさをみたいものだ。
企業名が入った看板を下げて、団体行動でこれ見よがしに何かするのは もう卒業する頃だ。
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Iさんと友達になれたら、楽しいだろうなと思う。 きっと気があうだろう。馬鹿話も楽しいだろう。
でも残念ながらIさんとは友達になれない。 別のかたちで関わりをもたない限り。
西日のあたる駅前で挨拶をかわしながら、 それでも来年また会えることを期待して、帰路につく。
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