佐世保の小学生による小学生の殺人事件。
整理がつかない。 そんな簡単につけてよいものではない。 ましてや、「次の陰惨な事件」によって 記憶や思考が上書きされるものでは決してない。
被害者の父親であり毎日新聞佐世保支局長である方の、 「子どもの世界のことだから 大人が考えていることとは違うかもしれないけれど、 落ち着いたら話を聞かせてほしい」というコメント。
一連の記者会見は、被害者の父親としてではなく、 報道組織幹部としての顔を貫き通した一幕のようだった。
マスコミの虚構と危険性を知り尽くした故の計算上の振る舞いか、 又は、私情を抑えることが事件の本質を知るために必要との、 血の涙を隠した選択か。
実のところは知る由もないが、 この方の、自ら傷を負いながらも 「話を聞かせてほしい」と働きかける言葉は、
同年代が引き起こし世の中を騒然とさせている事件の経過を、 息をひそめてうかがっている日本中の多くの子ども達へ、 とても意味のある大人からのメッセージとして届いていると私は思う。
上手く表現できないが、そう思う。
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