秋晴れ。
元外務省国際情報局の局長、孫崎享氏の書いた「戦後史の正体」を読んでいる。
赤ん坊の寝た合間やら夜半やら、もう一カ月以上もかけて細切れに読み進めているから、よく頭に入らないが、どうも内容は非常にショッキングである。
戦後の対米路線は、米国追従か独自路線を主張するかの二つの派があったが、1990年以降、追従派がほとんど主流になり、外交官僚だけでなく政治家も同様、であるということ。
米国にとって都合の悪い政治家や官僚は、米国の指示によりその存在を抹殺され、マスコミも同様であるということ。
この本では、そんなことが、嫌になるほど「この文書にこう書かれている」という証拠付きで示され、著者の思い込みの余地を残さない。 著者の元外務省国際情報局長という立場が、それをさらに念押しする。
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やはりそうだったのか、という思いと、それほどまでにそうなのか、という思い。
どうも怪しいと思っていた恋人の浮気の動かぬ証拠を突き止めたような、 失望と怒りとバカバカしさが入り混じって、青空を見上げるような気分。
まあいい、どうだって。 どうせそんな事だろうと思っていた。
それよりも、過去において、石橋湛山や重光葵のように自主路線を貫いた政治家が確かにいたことが重要だ。私達はそこにこそ注目するべきだと思う。
未来への拠り所にすべき考えや人々が、かえってはっきりしたではないか。
2008年11月10日(月) 夜更けのデッサン 2005年11月10日(木) silent violence 2004年11月10日(水) バーチャル懐古
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