2005年11月10日(木) |
silent violence |
石原産業の土壌埋め戻し材「フェルシルト」の不正処理問題。
驚いたことは、2つ。 この犯罪の影響の大きさと、もう一つは、その報道の小ささ。
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産廃と認識していたものを、商品と偽って販売した、犯罪の性質。 責任は元副工場長という個人にあり、関与を否定する、会社の姿勢。 過去に2回、重大な公害問題を引き起こしているという、犯罪履歴。 そして、製品は既に中部・関西の広域な範囲に使われており、 途方もないことが予想される、問題解決までの時間とエネルギー。
* 撒き散らされた六価クロムやふっ素の上に暮らしているかもしれない人達は、きっと生きた心地もしないはずだ。
企業利益のために環境を汚染するという暴力は、分かりにくい。 ものによっては、今日明日に影響を及ぼさないものもある。 誰が誰にどんな被害を与えているのかも、明確ではない。 ニュースとして扱うには専門性が高く、派手さはない。
でも私は、戦争やテロリズムのような暴力と同じぐらい、 環境犯罪は−その被害者であるなしに関わらず−意識して然るべきものだし、 国民の怒りのエネルギーを使ってよいところだと思う。
それが兵器であろうとなかろうと、大量に無差別に環境を汚染し、 回復不可能な影響を与え、子孫の生命と健康を脅かす、という点で、 環境犯罪は許しがたいのである。
これほど重大な影響をもたらすことが、企業の利益などという、 ケチな理由で発生してしまうことが、さらにやりきれないのである。
2004年11月10日(水) バーチャル懐古
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