末の子を連れて状況。
食い扶持に使っている資格の維持のため、 どうしても出張仕事を入れなければならない。
まあ、父と母に末の子を会わせる貴重な機会ということにしよう。
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という訳で、小さい赤ん坊をあずけ、都内某所にてKさんと打ち合わせ。
70才近いKさんには常々、明るい性格という一言では片付けられないチャーミングな何かを感じていたが、 今日、「僕の両親はまだ健在なんですよ」という彼の話で合点がいった。
Kさんは齢70近くにして、未だ息子として存在している。 叱られたり、たしなめられたり、誉めてもらう用意がある。
もちろん、100歳を過ぎたというお父上と100歳近いご母堂がそんなことをするはずはない。 それに、現実的には、今やKさんの方がご両親よりも保護者の立場であるはずだ。
けれども、親というものは、ただそこに生きて存在しているだけで、 初老の男性をも、無防備で甘えた息子にしてしまい、 そんな気配を、私のような中年女に気づかれてしまうのだ。
親というものはありがたいものですね、とKさんに言っていいものかどうか迷ったが、 やはりそれはやめておいた。
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