2011年11月13日(日) |
感性のリトマス試験紙 |
爽やかな晩秋の休日。
なのに、締め切りに追われてPCに向かっている。
Hと子ども達は、朝食を終えた後、さっさと遊びに行ってしまった。
もちろん忙しい私に気を利かせてのことではあるから、 羨ましいなどと言ってはいけないのだが、やはり羨ましい。
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傍らのFMラジオ放送を友として、黙々と作業をする。 ああジム・ジャームッシュの映画が見たいなあとぼんやり思う。
今年の夏に、彼の2003年の作品であるコーヒー&シガレッツを久しぶりに観た。 その時に私は、彼の作品をいいなと思うことができる自分に大いに安堵したのである。
彼の映画をまだ好きかどうか、ということは、私にとって ずいぶん昔に発見し、そして大切にしてきたある種の感性が、 自分にまだ残っているかのリトマス試験紙みたいなものなのだ。
それは、言うなれば、親や兄弟とは関わりなく、 自己を「ただひとり」として確認し、自我が芽生えた頃の、若々しい感性だ。
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そんな駄考をしていたことを忘れて仕事に集中していた時、 ふいにラジオから、トム・ウェイツの新曲が流れてきた。 ジムの映画と切り離せない音楽の世界が突然広がる。
かようにして神様は、休日出勤者に素敵なごほうびをくれるのである。
2007年11月13日(火) 土地に嫁ぐ 2006年11月13日(月) 煮えたぎる子どもたち
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