物置の隅からそれを見つけ出し、 パンパンと埃を払って、表面を拭取ると、 色褪せた表紙に「浅間日記」の文字が浮かび上がった。
どうもそんな感じになっている。やや大げさか。 いずれにしても、既にここは「日記」の体をなさなくなっている。
それなりに日常はまわり、HもAも小さいYも 変わらない夏の日々を送った。私だってそうだ。
その断片をここに書き留めないのは、 そうする自分の姿を、今はあまり好きになれないからなのだろう、きっと。
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まあ、私は確かにこうした日常を綴っていた、と確認し、 再び、物置の隅にしまい込んで扉を閉める。
時々思い出して更新するにせよ、 今はこの、薄暗い場所に置いておきたいのだ。
2005年08月22日(月) 無名で何が悪い 2004年08月22日(日) fado for climber
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