2004年08月22日(日) |
fado for climber |
Hを見送りに、成田へ。デリー行きエアインディアである。
見送りで出かける国際空港というのは、どうにもつまらない。 ビジネスでもバカンスでも、わくわくしているのは出かける人だけ。
私といえば、「ボンベイはムンバイと表記するようになってどのぐらいかな」などと 非日常的でインターナショナルな世界に一瞬身を浸したかと思うと、 帰りのNEXに乗ったとたん、 「千葉へ行って帰ってきただけの現実感」とともに、 日常の雑踏へ逆戻りである。
Aは、ずいぶん我慢していたようだが、別れ際にべそをかいて、 Hを困らせていた。 季節ひとつ分も会えないのは、 この人にとって永遠の別れに等しいのかもしれない。
遠征登山の見送りはもう何度もやっているので、 自分にとってはあまりドラマチックではない。 今度は頂上に立てればいいね、という思いぐらいだ。
それに、人生の真ん中にクライミングが居座っていると言って憚らず、 一日の半分以上、垂直の世界に思いを馳せているような、 そんな男と日常生活を共にしていれば、 「私のところに戻ってきて」と望むのは、 今さら始まったことではないのだし。
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