ラジオで、「世界で一つだけの花」。槇原何某のヒットナンバーである。 花屋の店先に並んだ色とりどりの花は、どれもそれぞれ違って美しいと歌っている。
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花卉産業は、最もクローン増殖技術のすすんだ分野の一つである。 だから、花屋の店先に並んだ色とりどりの花は、極論をすると、どれも同じなのである。
ひょっとすると、日本中の花屋で、同じ個体が売られ、 「世界で一つだけの花」しか咲いていないのかもしれない。
「世界で一つだけの花」とは、何と恐ろしいことか。 件の歌に恨みはないが、ひとたびそう思うともうダメである。
そして、思いを馳せる。 世界で一つだけの花になろうとしたアメリカは脆弱性を露呈したが、 まだ世界中に残っている埋土種子を発芽させてはならないし、損なわれた個体は復元しなければいけない。 もちろん、この日本においてもそうである。
あるいは、よくわからないが、在るがままにしておけば時間が元にもどすのかもしれない。
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