三寒四温で、東日本は雪である。
東京の降り始めは予報より少し遅れたらしく、 昼過ぎまで、だらだらという感じで、湿った雪が降っていた。 もどったら雪かきか、と思いつつ、夜行列車で信州への家路をたどる。
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中村勘九郎さんが勘三郎を襲名したというニュース。 学生時代に祖母と歌舞伎座を数回ひやかした程度なのでよくは知らないが、 まだ先代も存命だったし、歌右衛門も元気だった。 この間暴力事件をおこした息子の七の助は3歳かそこらで、 「外郎売り」で口上をやって、中年女性の客をかわいいと喜ばせていた。 確か客席にも外郎が振舞われた。
歌舞伎役者がまだあまりタレント然としていない頃で、 勘九郎さんも中村屋の中堅という感じだった。 「棒縛り」−これは狂言のほうが有名かもしれないけど−、が すごくよかったのを覚えている。
しかし歌舞伎についてはそのぐらいで、 祖母と歌舞伎を見に行く、ということが当時私には大切なのであった。 成長してからこの人と大人の遊びを共有する、ということに意味があった。 雪の日に思い出すのにふさわしい、思い出である。
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歌舞伎鑑賞というのは、江戸時代では一月とか長い時間をかけて 企画するイベントだったそうである。 観賞用の着物をしつらえるとか、料理屋に泊り込んで見るとか。
温泉の湯治なんかもそうだけれど、一月とか半年というタームを、 現代の生活時間に組み込むことは難しい。特に遊びにおいては。 せいぜい短期バイトの契約期間ぐらいだ。
しかし実はこのぐらいの単位を意識して日々の生活を組み立てると、 間延びもなく、追い立てられることもなく、結構便利なのではと思っている。
2004年03月04日(木) 国民給餌法
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