サイトウ・キネン・フェスティバル期間である。
街中を楽しくするフェスティバルであるが、 今年はもう、常連であるムスチスラフ・ロストロポービッチさんがいない。
もう二度と、彼のリードで、マエストロ小澤の誕生日を祝うこともない。 馬鹿でかい誕生日ケーキも、小澤氏が兄貴分と慕う彼が祝うからこそ、楽しかった。
何よりも、艶のある大らかな彼のチェロをその息遣いとともに聴くことができない。
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そのことが、寂しくてしかたがないと思っていたら、 昨日、追悼コンサートのプログラムがあったという新聞記事。
直前にリリースされた情報であったのらしい。 行かれなかったイベントというのはすぐに忘れる性質であるが、 これは、本当に聴きに行きたかった。 この寂しい気持ちを、マエストロ小澤と−彼には及ばずにせよ−、一にしたかった。
残念でしかたがない。そして、残念だがしかたがない。 未来はすべて過去になるのだ。
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