2007年03月21日(水) |
結論を出すのだけが上手い愚か者 |
スコットランドでそこそこ腕試しできたというのに、 その後さっぱり山へ行けず窒息しそうだったHは、逃げ出すように山へ。
窒息男から解放された私とAは、本屋さんへ。 最近のAは、長い章立ての物語を受け入れられるようになってきた。 はいここまでと区切っては、もったいぶって読み進める。
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最近の子どもの絵本から、長文が消えている。 「てにをは」さえも消えている。
絵本など縁のない暮らしの人には知る由もないけれど、 このことを私はとても憂いている。
つまり、どういうことかといえば、 【たろうちゃんは、山へ行きました】という文章があるとすれば、 【たろうちゃんやまへ】という、乱暴な短縮がなされている。
【まりちゃんは、あかねちゃんにりんごをあげました】は、 【まりちゃん、あかねちゃんにりんごあげた】という按配である。
気持ちが悪いから、勝手に修正して読んでいる。 絵本作家が、こういう「端折り」を安易に使うことに、子どもへの眼差しを疑う。 ほとんど手に取らないが、皮肉なことに「早期教育」とうたった本ほどこの傾向が顕著であるように思う。
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要点をまとめて話すというのは確かに大切なスキルだけれど、それは、 長い物語、そして長い思考に耐える力をつけた後の話だ。
結論を出すのだけが上手い愚か者には私自身なりたくないから、そう思う。
2006年03月21日(火) ハリー・ライムを探せ 2005年03月21日(月) 我ら思う、故に価値あり
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