Aのいない夜。Hと二人でバーに行く。
脳挫傷のY君はまだ調子が悪いらしい、などと四方山話をしながら、 二人とも、どうやってあの件にもっていこうかと考えている。 ウッディ・アレンにでも撮らせれば、なかなか面白い場面かもしれない。
そして、二杯目のシングルモルト・ウイスキーを楽しんだ後で、 私は次の遠征登山の計画についてOKの返事をし、 Hは私のある重大な提案に賛成をした。
何かの条約締結を交わした元首みたいに、私達は そういう方針でしっかりやっていこうと、心の中で握手をかわした。
もう何年も腹に抱えていたものを吐き出すことができ、 ようやく自分に未来がやってきた、と心から思う。
そうして、翌朝から私は発熱した。
2006年03月22日(水) 2005年03月22日(火) 彷徨えるカーナビ車 2004年03月22日(月) 慕情先生
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