浅間日記

2006年09月14日(木) 施設と店と部屋

紅葉シーズンを前に、観光キャンペーンが盛んである。
旅館やホテルでは、極上の贅沢だの究極のくつろぎだとか謳っている。

長期滞在ならともかく、極上の贅沢なんてものが、
たった1泊や2泊で味わえるものなのだろうか。



幸いなことに今や自分は、
施設や店や部屋みたいな消費空間に、昔ほどきらびやかな憧れを抱かない。
それは、そういうものが陳腐化して実際の魅力を失ったのか、
それとも、私は違うものを手に入れたからと理解するべきか。

誰の生活に根付かず、誰にとっても自分のものではないそうした空間を漂うには、
ある種のパワーと緊張が必要で、それは大層疲弊することと思う。

そしてよくよく見渡すと、
家族やコミュニティや自分の文脈が弱々しくなっている現代の私たちというのは、
もうほとんど、大抵の場合において、そんな場所に収容されるより居場所がないのだ。

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