2006年05月24日(水) |
awardとアホウドリ |
伊豆諸島鳥島でアホウドリの繁殖に長年貢献した長谷川博東邦大学教授が、 平成18年度山階芳麿賞を受賞した、というニュース。
山階芳麿賞というのは、財団法人山階鳥類研究所が創設した賞である。 この研究所は、黒田清子さんが御結婚前まで所属していた事で その名前が知られているけれど、鳥類研究のオーソリティである。
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野生生物の生態メカニズムを知るという研究分野は、 そのこと自体が絶滅の危機に瀕している。
別に知らなくても困らないからだ。 人工的な環境で生きられる時代にいまさら、と付け加えてもいい。
そうした研究にお金や人を投入することについて、 年を追うごとに、国民的なコンセンサスが得られにくくなってきている。
だからせめてこの山階芳麿賞も、もう少しワイワイ世の中が騒ぐ−芥川賞みたいに−、 ということになればよいと思うのだが、あまりそういう気配がない。
ワイワイ世の中が騒ぐためには、多分「自然の具体的な姿を知ることの意味」みたいなものを、「知らなかったら人間はどうなるか」という視点も含めて賞の主催者が一般の人へ伝える言葉をもたなければならないし、これが素晴らしい権威ある賞なのならば、ぜひそうしてほしいと思う。
2005年05月24日(火) 話し合い橋 2004年05月24日(月) 絶滅の前に起きること
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