寒い日。 図書館へ行って、ちょっとした調べ物。
ついでに、「北極のナヌーク」というドキュメンタリーのビデオを借りる。 カナダ北東部で暮らすイヌイット、ナヌーク一家の生活を追ったもの。
撮影したロバート・J・フラハティと言う人は、 ドキュメントの父とも言われているのらしい。 この映画の撮影も、数々のトライアンドエラーの上に完成している。 そういう苦労話のような、愚痴のような文章を、冒頭に長々と読まされる。
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家長のナヌークさんは、見事なまでに甲斐甲斐しく家族の世話をする。 たった一人で、一日の生活の計画を立て、段取りをし、 アザラシと格闘し、雪と氷で家を普請し、毛皮を剥いで服をあつらえ、 子どもを船やそりに乗せ、雪を払い、時には遊び相手をする。
家長とそれ以外の家族、という区分が、映像から明確に感じられる。
文句なしに、家長は家族を養っている。 その様子は、奉仕でもないし、貢献でもないし、 別に生きがいという訳でもなさそうだ。
おそらく文明とか文化に由来する感情ではないのかもしれない。 不可思議だ。
2005年03月14日(月) 札のかけかた 2004年03月14日(日) 春風とジャムの一滴
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