ああ、春だ。 HとAと3人で家の大掃除。中も外も。 秋に掃き残した庭の落ち葉を片付け、玄関前の野ばらを剪定し、 玄関前を掃き清めて水をまく。 家の外の掃除や手入れができるというのは贅沢だ。 住まいの中に、そういうスペースがあるということが。
★
「春よ来い」をAに歌ってやったら、「里」って何だと聞かれた。 同時に「野」って何だ、とも。 山に来た里に来た野にも来た、の里のことで、何と説明するかしばし熟考。
最近のAは、聞いたことのない言葉にとても敏感に反応する。 すぐに意味を知りたがり、知ればすぐに使いたがる。 言葉の海へ漕ぎ出したのがよくわかる。ようこそ世界の大海原へ。
★
まだ少し早いと思ったが、イチゴを買い付けジャムをつくる。 本当は酸味の強い女峰がベストだが市場になかったので我慢。
Aは山ほどのイチゴに、喜びのあまり嬌声をあげている。 ヘタを取る作業を一緒にするも、2つとるうち1つを口に入れるので 能率の悪いこと、お腹が膨れること。とうとう取り上げたら、泣いた。 散々食べたくせに全然もらえない人みたいに泣くので、 文句を言ってわんわん泣く横で、何言ってんのよとげらげら笑う。
2日火にかけて、ようやくできた。 これをつけるパンはどこで手に入れよう。楽しみ。
★
市長選。 保守的なこの街は、どんなに高齢だろうが再選が弊害をもたらそうが、 現職が強いのだろう。どうしても。 何かを変えたいと市民が思っているようにはとても思えない街だ。 だから街のあちらこちらがもう壊死している。
一票に僅かな望みを託す。たった20万人都市といっても 一票は大河の一滴だよなあ。
|