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■ 母の日の祝いそっくりお返しに いいときに生まれたね息子よ
今日の日記は、猫とは関係のない話題です。
先だっての母の日に、リュウが白ワインとZARA（というファッションブランド）の袋をひっさげて帰宅。
母の日のお祝いだそうで。あら、びっくり。
数年前まで、「へえ、今日、母の日なんだ」などとTVCMを見ながら、私の隣でほざいていたはずなのに。ちなみに、当時「お母さんというより、マブダチって感じで、実感ない」と言っておりました。
男の子というのは面白いものです。
で、リュウの誕生日。母の日の少し後なのです。
お祝いなどもらわなくても誕生日祝いはするのですが、母の日を祝ってもらった手前、やはり多少の色はつけてしまうわけです。本人がそれを狙っているわけではないのはわかっているので、要は私の自己満足。
来春にリュウは信州住まいになります。就職先がそちらの企業の研究開発部門に決まったので。
水のきれいな、温泉地近くの町だそうです。
リュウは自然が好きな子どもでしたが、私にはそういう趣味もなく、そういうレジャーを楽しむ余裕もなく。
それでも、吉祥寺の大きな公園近くで幼児期を過ごし、横浜の（住宅地ではあるものの）緑たっぷりの公園と海がほど近い地域で育ったので、少しはマシだったかなぁ。
ともあれ、彼は自分が伸び伸びと生きられる環境で働く道を、自らの力で手にしたので、私もとても嬉しいのです。
25年前、陣痛のなか、歩いて5分ほどの産婦人科医に向かった朝のことを、久しぶりに思い出しました。
今思うと、そこは出産よりも堕胎手術のほうが多かったのでは、という病院でした。
近辺に有名な産院もいくつかあったのですが、単純に当時の住まいから一番近いところ、で選んだので、あまり評判なども気にしていませんでしたし、定期健診のときもいつも人がおらず、空いていて、それが私には好ましくさえ思えました。
インターネットも普及しておらず、そもそもパソコンそのものが一般的でなかった時代のことです。
高齢出産に片足を突っ込んでましたが、それ以外のリスクはなかったので楽観していました。
実際、なんの問題もなく出産し、出産当日と翌日はお乳を飲ませるときだけ対面し、2日後に部屋にベビーベッドを入れて同室になったように記憶しています。
生まれたばかりの小さな顔を眺めていたときの、不安と期待と高揚と恐怖が入り混じった感情を、今でも覚えています。母になった喜びなどというものではなく、自分の体から別の生き物が生まれてきたという自然の理に理性が追い付いていない戸惑いが、大きかったのでしょう。
未熟な自分が曲がりなりにも母親をやってこれたのは、子どものおかげだなと最近思います。女子校育ちで妹しかおらず、男の子というものを知らなかった私にとって、リュウはまさに異星人に等しい生き物でした。
手を焼くことももちろん多く、でも、その分、新しい発見に満ちていました。
リュウが8歳のときにニャンが我が家にきました。リュウにとってニャンは兄弟で、ニャンにとってもリュウは兄弟だったようです。
10月生まれらしいニャンが我が家に来たのはその年の年末。1年で成人する猫は、来たときはリュウより子どもだったのに、その1年でリュウを追い抜いて大人になった計算です。
そのせいか、いまだにニャンは、私に対するときは子猫、リュウに対するときは兄貴分です。
リュウの就職が決まって、私もいずれ信州に移り住もうかなぁ、と考えています。
老齢の猫たちには環境の変化は好ましくないと思いながら、兄貴分ともどもリュウの住む信州に引っ越すのもありかしら、とか。
いやいや、猫たちをきちんと見送ったあとにすべきよね、とか。
今まで思いもしなかった老後の選択肢が、ぽんと一つ増えて、ちょっとだけ、わくわくしています。
2016年05月18日(水)
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