にゃんことごはん
ごはん



 玄関のドアを開けるといい匂い お帰りなさいメシできてるよ

びっくりです。何がって、仕事を終えて帰宅したらご飯ができていた……。
ニャンちゃんたちが力を合わせて……な、わけはなく、作ったのはリュウ。

学生になっても相変わらず朝から晩まで忙しい彼。理系の学部ということもありますし、ほかにも部活だ、学祭の委員だ、バイトだ、で、確かに暇なしです。
洗濯などは自分の分を洗うついでに私の物も一緒に片づけてくれたりはするものの、料理に関しては、未だに朝昼(弁当)夜と私が三食作っています。

それが。
どうしたことか。

確かに試験も終わり、部活も休み、学祭委員の集まりもさすがになく……な春休み。バイトは普段よりもあるものの、非常に暇になりました。
私の本棚から本を漁ったり、長編のコミックスを読み返したり、中学時代のサッカー部仲間と遊びに行ったり……も、一通りこなし、手持無沙汰になった模様。おりしも彼女は、お友達と海外旅行中。

突然、「料理でも覚えようかな」と言い出しました。
とりあえず、先週の日曜日に私があんかけ焼きそばを作ろうとしているところにやってきて、「指示してくれたら、自分で作る」というので、「麺を湯通しして。多めのの油で焼き目をつけて」なんてやりました。
学校の調理実習は好きだったというだけあって、案外、手際は悪くありません。
次の休日となった昨日は、ポテトサラダとチキンのトマト煮と味噌汁。私は口を出すだけで、野菜を切るのから何から全部やってくれるので、楽ちんです。
そして今日は、何を作ろう(というか、作らせよう)かしらと考えつつドアを開けた……ら。

疲れて帰宅したらご飯ができてる! 夢のようです。一瞬、ほわわわ〜〜と意識が飛びかけたぐらい。

メニューは豚キムチ風の豚とキャベツのヤンニョン炒め、ホウレンソウのお浸し、と、大根の味噌汁。(あとで、もずく酢も食べようと思っていたのに、忘れた!と残念がってましたが)
はい、ありがたく頂戴しました。

自分の家で、出前でもないのに自分が作ったんじゃないご飯を食べられるなんて、思ってみたこともなくて、びっくりです。
ご飯を作るのは好きなので、大変だなぁとは思っても、決して嫌だとは思わないし、「うん、我ながらおいしくできた」と満足することも少なくないのですが、ひとが作ってくれたご飯というのは、また違うんだなぁと思いました。
なんでしょうね、食事の大切さというか、有難さというか……。
少々、焼きすぎて肉が固くなってようが、ちょっと湯がきすぎて歯ごたえのないお浸しになってようが、しみじみ美味しく感じられました。

やっぱりご飯は大事だ、と再認識した夜。

猫さんたちも、ここにいればお腹いっぱい食べられると思うから、内にいてくれるんですものね。

2013年01月29日(火)



 煮込み料理の醍醐味は ことこと煮える鍋のそば寄ってくる猫

寒くなると鍋や煮込み系の料理が増えます。なんといっても簡単で手抜きできるし、「おいしいし」←ここ重要

もともと、煮込み料理が好きです。特に肉系の煮込み。
高級な霜降り和牛のステーキも悪くはないのですが、安価な牛筋肉を煮込んだものが大大大好き、それよりも好きなのはハチノス(第二胃)を煮込んだトリッパと言うぐらいです。
でも、ハチノスってなかなか手に入りません。調理済みのハチノスは中華街で買えますが、調理前のものは、なかなか。
ところが、そこに救世主が。仕事先に冷凍の食肉海鮮関係を卸している会社が、小売もしていると知り、聞いてみたところ、ありましたよ、愛しのハチノスちゃんが。配達のお兄さんに後光が差して見えました。去年の暮れのことです。
以下、お兄さんと私の会話。

私「ハチノス、お願いしていいですか?」
お兄さん「いいですよ。どれぐらいいります? 小さいのでも800gとかになりますから、1枚ぐらいでいいですかね」
私「いやいやいやいや。どうせ下ごしらえの手間は一緒ですから、2kgぐらいください」
お兄さん「……小さい店の仕込み並ですね……」
そんなこんな、おせちの準備の合間にハチノスの下ごしらえをして、中華風のねぎ和えとか、大好きなトリッパとか、野菜炒めとか、食べつくしました。ああ、幸せ。

そして本日。通販で買った牛筋の下ごしらえをしながら、これもあのお兄さんに頼めばもっと安く手に入るかもとか考えていました。今度、聞いて見よう、っと。

ともかく、牛筋です。下ごしらえと言っても、大したことはしません、とりあえず、ある程度の大きさに切り分け下茹でするだけなんですが、肉の塊を捌くとき、異様に幸福感が増すのは何なのでしょうか? もしかして、肉食民族だったのかなぁ?
あ、でも。前に通販で手に入れた現地市場直送魚セットのなかに鮟鱇が丸々一匹入っていたときも、捌くのに苦労しつつも楽しかったので、肉に限らず、かもしれません。
全部は使わないので、半分は冷凍保存用に分けて、煮込みを作りました。

牛筋を捌く間、なぜかショーちゃんが寄ってきます。これは牛に限らず、豚以外の肉を調理するとき必ず、です。ラム肉でも寄ってきます。
うっかり目を離すと生肉を舐めたり齧ったりもするので、ほんと、気を抜けません。でも、焼いた肉には生肉ほど興味を示しません。
さすがアメショー、肉食猫種といつも感心します。

反対に、肉にはあまり興味なく、ブリのアラ煮のような魚介類を使った煮込みや、海老や魚の入った鍋に興味を示すのがニャンとレン。
熱いので鍋に近寄れないから、熱くないギリギリのところで、鼻をひくひくさせています。で、猫舌のリュウと私が、取り皿に分けた具に、そ〜と前足を伸ばすのがニャン。いやいや、それバレバレだからと思うのですが、ニャン的には、目を盗んでやっているつもりなのでしょう。

塩味のついた鍋の食材を猫が食べるのは、よろしくないと思うので、鍋を猫と一緒に突付くつもりはないのですが、カセットのコンロの上で煮える鍋を、期待を込めて見ている猫という図は、なかなか切ないものがあります。
まあ、解体中の肉の塊を虎視眈々と狙っている猫というのも、なかなか、それはそれで味わい深いのですが。

そんなこんな。鍋のそばで繰り広げられるアレコレに、思わずニンマリしてしまう、年の初めでした。

2013年01月13日(日)



 雨の音? 窓に映るは蒼い空 音の正体 顔洗うレン

神秘になりきれないひょうきんさのため、我が家では「神秘」ならぬ「珍味」のオッドアイと呼ばれている練太郎には、いろいろな逸話があります。
そのなかの一つが、レンの毛づくろいは雨の音。

猫ですから、当然、毛づくろいはします。もちろん、レンだけでなく、ニャンもショーもキラも。
丁寧に丁寧に毛づくろいするのはニャン、毛づくろいするときもピンッと後ろ足がまっすぐ天井を向いているバレリーナのようなショー、ひっくり返りそうになりつつもニャンなみに丁寧に毛づくろいするキララ。
で、レン……。
どういうわけか、ピチャピチャ……ッチャッチャ……音がするのです。
ちょうど、雨だれの音のように。
音がするのは(少なくとも私の耳に聞こえるほど音がするのは)レンだけです。

朝、「ごはん、ごはん」と起こされて寝ぼけ眼でごはんをあげて、ついでに洗濯機を回し、まだ目覚めきらぬまま、ぼさ〜と居間の椅子に座っていたりするとき聞こえてくる雨音……。「え? 雨? 洗濯機回しちゃってるよ」と思いつつ窓を見ると広がる青空。「???」と部屋を見回すと、猫炬燵の上で食後の毛づくろいをするレンの姿。
あるいは夜、さあ寝ましょうと布団に入り、うつらうつらし始めたとき、聞こえる雨音……「おっかしいなぁ。予報じゃ雨なんてヒトコトも言ってなかったのに」と思いつつ、首を巡らせると、窓際で就寝前の毛づくろいするレンの姿。
と思えば「ああ、またレンレンか」と油断していると、本当に雨が降っていたり……なんてことも、あります。

なぜレンが毛づくろいをするときだけ音がするのか、謎です。
そういえば、レンは舌が長いのか、よく歯の隙間からはみ出していたりして、それはもう間抜けで可愛いのですが、それと関係あるのでしょうか?
今のところ、猫の毛づくろいの音がうるさいとか、雨音に聞こえるとか、指摘された方の日記やブログに出会ったことがないのですが、私が知らないだけで、これはポピュラーな現象なのでしょうか?

今日は、1週間ごとの天気予報で最初、午後からお天気が崩れると言われていたので(昨日の時点では「曇り」、午後にわか雨があるかも)、朝起きたとき雨音が聞こえて「うわ、午後からじゃないのかよ」と思ったら、レンの毛づくろいの音でした、という落ち。

まったく、正月早々……これだから、「珍味」のオッドアイといわれるんだよ、レンレン。

ちなみに練太郎の名前は、次に男の子の猫が来たらこの名前にしようと決めていました。
「太郎」は、我が家の男の子猫全部につきます。最初の運命の猫をリュウが「ニャン太郎」と命名したときに、決めました。次にきたのは、アメリカンショートヘアーだから、ショータロー(安易w でも、実は鉄人28号世代の私、正太郎という名前にはちょっと憧れもあったりしたのは、初めて明かす事実)、たまたま預かりから内の仔になったのがポッポ太郎だったのは、ポッポもまた運命の猫だったのだと信じてます。
で、「練」は当時、嵌っていた小説の登場人物で、ちょっと謎めいて頭のいい、中身いっちゃってる美青年の名前でした。で、我家にやってきた神秘のオッドアイ。ちょっと前の日記にも書きましたが、あみっち逃走のときの夢のこともあり、これはもう「練」太郎でしょう、と。

ところが、コイツは違う方向に「いっちゃてる」おとぼけ猫でした。
何せ、醗酵中のまんじゅうだし、ぶーちゃんだし、おまけに、まんじゅうでも、ブーでも振り帰るし。白猫らしく甘ったれで、甘えることに関しては、ニャンよりもよほど頭が働きます。
でも、なんか間抜け。なんか、どんくさい。だから、妙に可愛くて可愛くて、「もう、ぶーたんったら、しょーがないですねー」とか言いながら、目やにを拭いたり、出しっぱなしのベロを突付いて仕舞わせたり。

長生きして、これからも「珍味」ぶりを振りまいてね、練。

2013年01月05日(土)



 朝日浴び光るにこ毛に 新年の明るい匂い鼻先かすめ

明けましておめでとうございます。

とても気持ちのいい晴れ。
例年通り私は仕事ですが、無事おせちが出来たので晴れ晴れしています。

毎年、怒涛の年末なのですが、去年の12月は前半「お、割といい感じ?」な進行具合で、いつもより3割増し忙しい程度ですんでいたのですが……甘かった……最後の1週間は寝不足と疲労をドリンク剤で乗り切るぐらい怒涛でした。普段、ドリンク剤など飲まないものだから、これがまあ、効くんです。でも反動も大きくて、いわゆる「ヤク切れ」みたいな倦怠感に襲われた神経を濃いコーヒーで覚醒させるという、まるで20代のころのような無茶をやりました。

でも、おせちは作る、ここを崩すと多分ものすごく落ち込む、と思うので、意地でもつくりました。
カズノコの塩抜きからスタートするおせちづくりは26日が初日。翌日、出汁につけ、この日は紅白なますをつくります。なますは数日置いたほうがおいしいそうなので。同時に、黒豆を戻します。
翌日、黒豆を煮て、煮物の下ごしらえ。
今年は食材が一斉にそろわなかったので、煮物も素材ごとに味付けできて、よかったかも。里いも、ごぼう、にんじん、しいたけ、いんげん、タケノコ、鶏肉、昆布(昆布巻はあきらめたので、せめて煮物に入れました)。
最後の2日で、煮物の仕上げ、レンコンの酢の物(ちょっとピリ辛)、田作り、伊達巻、ローストビーフ、蕪のいいのがなかったので菊花蕪ならぬ菊花大根、栗きんとんを作って、ゴール。
サラダがほしいというリュウのリクエストで、アボカドと茹で卵とブロッコリのサラダ(海老入り)、おまけで白菜の浅漬け。
かまぼこだけは買いました。以前、かまぼこ作りにも挑戦したことがあるのですが、これがほんとに難しく以来、手作りは断念。

おせち作りの間中、かつお出汁の匂いが漂うものだから、ニャンやショーやレンがうろうろうろうろ、鼻をひくひく。ごめんね〜と、特別のときにとってあるウエットフード(高カロリー。ショーが食欲落ちた時用)でごまかしつつ、「いや、ごまかされないぞ」という顔のニャンちゃん、「これもいいけど、やっぱりいい匂いがする」とキッチン前に陣取るショー、とりあえず「いいもん食った」とごまかされて去っていくレン。三者三様の年の瀬でした。

ヒッキー娘のキラは冬は私のパソ椅子のラグに陣取って、ちょっとヒッキーでなくなります。でもキッチンまでは来ないので、おせち作りの邪魔もせず、よい子です。噛みつくけど(この子だけ、甘噛みするんですよね)。なでるとお礼にガブガブしてくれます。痛くはないんですが、しつこい。手を引こうとすると前脚で抱え込んで、ガブガブ。私の手は子猫か?

今朝、仕事に出る前にお雑煮の用意をしていたら、さっそくショーがチェックに来ました。レンは朝ごはんを食べたら、さっさと私のパソ椅子に戻り、キラと重なって(まるでキラに甘えるように)寝てました。レンのほうがデカくてデブなのに。
ニャンも早々にご飯を済ますとラグを敷いたダイニングの椅子の中央を陣取って寝てました。

晦日のバイトが通しだったので朝方帰宅したリュウ。顔を合わせずじまいでしたが、おせちがあれば、私は居ても居なくても関係ない、いやむしろいないほうが、伸び伸びできていいかも。
口金が壊れていて使えなかったガスファンヒーターも修理したので、元旦のリュウはニャンを膝に抱きながらホカホカと、おせちを摘まむことでしょう。

なんとも、のどかな光景。しみじみ幸せだなぁ、と思います。
そんなわけで、今年もよろしくお願いします。
どちらの方にも、どちらの猫さんにも、いい年でありますように。

2013年01月01日(火)
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