にゃんことごはん
ごはん



 雨が降る 夏の終わりに逝った仔の か細い声によく似た雨が

先日の雨の朝、久々にご近所の「あみ似」ちゃんを見かけた。

レストランの庭を根城にしている半野良で、夏の間ビアガーデンになるそこでよく猫好きの客にかまわれている。
4年前、脱走したあみっちを探していたときに、よくあみっちと間違われて何人もの見知らぬ方から「××のお庭で見かけましたよ」と連絡をいただいた。白黒の八割れの加減といい背中の模様といい、ほんとうに良く似ていて、私でさえも写真と見比べてわずかに異なっている左側の白黒の模様の具合と、尻尾の付け根の模様(あみっちのは、ハート型みたいになっていた)で見分けていたぐらいだ。

あみっちに似ているのでリュウと「あみ似ちゃん」と呼んでいたのだが、レストランの支配人さんの話ではあみっちよりも2歳ばかり年上だった。
もしかしたら血縁関係にあったのかもしれないその猫が、雨の中、レストランの駐車場で佇んでいた。「おまえさんは長生きしろよ」と心の中で呟きながら、通り過ぎた。

夏から秋への変わり目に降る雨には、なんだか感傷的になってしまう。
そして、ついつい追憶に沈んでしまいたくなる。

今でもよく覚えている。あの秋の夜の冷たい空気と、まだ私の肩ぐらいだった小さいリュウと、ジーンズ地のコートの腕に抱えていたあみっちの感触。
和室の窓際のタンスと壁の隙間に身を潜め、警戒しまくっていたあみっちの眼。決してさわらせてはくれなかったあみっちが、初めて膝に乗ってきたときの驚き。
……冷たくなったあみっちの、あまり硬くはならなかった身体のことも、いつか思い出になるのだろうか。

◆気温が下がったり、また上がったり、落差が激しく、それだけで疲れる。リュウは食欲ない……と言いつつ、結局、食う。でも、いつもよりは少な目。これでも、少な目。

朝: 親子丼、味噌汁(里芋、しめじ、長ネギ、にんじん、切干大根)、メカジキの竜田揚げ、水菜のお浸し
昼(弁当): ドッグパン(ソーセージとレタス、スモークサーモンwithタルタルソースときゅうり、バターと林檎ジャム)、鶏手羽揚げ、プチトマト
夕: 焼きそば(豚肉、ナガネギ、エノキ、ニンジン)
夜: つけ麺withつるむらさきの和え物、ローストラム
他: バナナ2本、マンゴープリン

2006年09月19日(火)



 15歳 猫にはやさしくできるのに女子には投げやり それも思春期?

ニャンがキッチンで「これぞ猫のなき方ですよ」てな感じの甘え声でにゃーにゃー鳴いていた。
ちょうどリュウと私は夕飯時で、猫たちにはその前にちゃんとご飯もあげて、ポンポンもしているのにニャンはにゃーにゃー。
かまってほしいのはみえみえなのだが、仕事が立て込んでいて疲れていた私はそのまま無視していた……ら、ご飯食べ中のリュウがやおら立ち上がり。
キッチンからニャンを抱いてやってきて、自分の隣の椅子に座らせ、片手でポンポンしながらご飯を食べ始めた。

「やさしいじゃない」と言うと、もぐもぐしながら頷くリュウ。
「その調子で、女子にもやさしくできない?」−−女子がうざいの、うるさいの、うっとおしいの、といつも文句を言っているものだから、そう言ってみると首を横に振る。
「似たようなものじゃない。女子も猫も」 はげしくブンブンと首を横に振るリュウ。爆笑したいのを堪える母……。
「女子と猫じゃ、違う?」 相変らず、無言のまま頷くリュウ。
先刻から一言も言葉を発しない所を見ると、照れ臭いのが一目瞭然。おかしいったらない。

そのうちきっと、猫みたいな女の子に振り回されたりするんだろうなぁ、と思いながら、隣の椅子から膝に乗ってきたニャンを抱えながらご飯を食べるリュウを横目で見て、ニヤニヤしてしまった母だった。

◆ここ数日、急に気温が下がり、あたたかい汁物の恋しい季節。
朝から、嬉しそうに豚汁やら、煮込みうどんやらを食べるリュウの姿に、ああ、夏も終わりだなぁとしみじみする。


2006年09月14日(木)
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