振り返れば、 幾つも、 腹落ちする欠片が在って。
線でも、 面でも、 其の繋がりが俯瞰出来る事も。
言の葉や、 其処に宿す想いは。
飽く迄、 一方向に過ぎず。
一欠片も、 返っては居ないのだと、 理解できる事も。
二十年近くの年月が。
自身の血肉に為って居る事の、 証だろうか。
其れとも。
唯の、 執着だろうか。
何故か。
巨大な街から僅か一駅に棲む、 不可思議な静けさも。
一つだけ突き抜けた、 高層階の建物も。
時を経て居る筈の、 其の地は。
当時と変わらぬ姿で在るのだ。
当時を想い出せと言わんばかりに。
意図せずに。
予期せずに。
嘗て訪れた、 本当に好きなひとの家の前を、 通り過ぎる。
今、 如何して居るのか。
果たして、 其処に居るのか。
其れすら知らないけれど。
---------- References Sep.30 2001, 「あきらめとは違いますか」 May.24 2001, 「初めての記念になりますか」
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