祈念の贈物には、 互いの想いが煮詰まって居るから。
想いの絶えた後。
時に、 其の想いを持て余して了う。
喰らって終え。
喰らって終え。
疵を鎧で固め、 瓶に掛けた手に力を込めると。
何かが弾ける、 乾いた音がした。
繋がりの断たれた、 其の日に。
此の手で封切った、 果醤の瓶。
水路から託された筈の、 想いを、 煮詰めた甘味は。
殊更、 憎たらしい。
何の因果だ。
「私の誕生日なんだよ。」 「小坊主の誕生日のは無かったんだけれど。」
其処に記された、 期限は。
祝う事の無くなった、 誕生日の刻印。
---------- References Oct.10 2008, 「不安は其処だけの物ですか」
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