刹那の偶然が、 幾重にか、 重なり逢う事で。
飛躍的に、 想いが結わえられる刻が、 在るのだけれど。
飽く迄。
其れは、 互いの想いの範疇に在る物で。
他者の介在を、 決して、 許す事は無い。
其れ故に。
仮初めにも。
他者との間に於いて共鳴した、 其の現実が。
殊更、 奇異で。
殊更、 想いを揺らして了うのだろうか。
或いは。
望む望まぬの如何に因らず。
決して、 其処から逃れる術など無い事を、 暗示するのかも知れない。
事在る毎に。
「また同時だね。」
「不思議なもんだよね。」
「其れだけうちら縁が在るんよ。」
「そうなのかな。」
時を揃えて行き交った、 あの子との電信は。
「此の身体要らないってさ。」 「あはははは。」
「こんな時迄。」 「同時じゃなくて良いのに。」
もう一人との間に於いても。
同様に、 成立して了う。
不思議そうに。
「あたしに代わっても。」 「メールのタイミングは一緒なんだ。」 「あんた達の繋がりにはびっくりだ。」
其の存在は。
俺に、 問い掛けて来るけれど。
でも。
今。
俺とあの子には、 言の葉を繋ぐ術が無いよね。
---------- References Mar.09 2015, 「舌舐めずりして狙って居ますか」
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