一度も、 触れずに居ただけで。
其の自覚が、 在ったのだろうか。
其れとも。
飽く迄、 与り知らぬ範囲に於いてのみ、 存在し得るのか。
其れは。
分からないけれど。
夜半の眠りを避け、 眠る事を極端に怖れる、 其の由は。
恐らくは、 其の存在を封じて置く為で。
眠っても、 熟睡を得られぬ、 其の由は。
眠りと入れ替わりで、 其の存在が、 躍って居る為なのだろう。
或いは。
俺の眼前にも、 居たのかも知れない。
気付かぬ内に。
今の処。
「復活〜。」 「寝せるのに大変だったわ。」 「まさかあの檻から出てくるとは。」
沈黙と共に出現する、 其の存在は。
俺との窓を、 開けて有って。
今の処。
「入れ物無くなると私も困るからね。」
あの子を、 壊して了う様な振る舞いには。
消極的で居てくれるけれど。
---------- References Feb.27 2015, 「今の私は何方でしょうか」 Feb.22 2015, 「私は誰でしょうか」
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