迷いの理由は。
俺の体調に、 確かに関連が在るけれど。
決して、 世話を焼く存在が欲しかった故の、 迷いでは無いのだ。
恐らく、 嫌な想いをする羽目に成るのだろうと。
確度の高い予測が、 脳裏に浮かび。
其の嫌な想いに、 此の体調で耐えねばならないのかと。
そう感じた故の、 迷いなのだ。
今日は特別な日で在ると、 知って居たから。
今日、 卒業を迎えるのは。
姫の息子だけでは無く、 姫もであると、 理解して居たから。
誘ってくれた友人との、 祝宴に。
「良いよ。」 「行っておいで。」
姫を贈り出したけれど。
意識が朦朧とした、 此の体調で。
其の瞬間を耐えたく無いから。
俺は。
姫が呑みに行く事へ、 本音で、 賛成出来無かった。
案の定、 姫は予測と違わぬ姿で。
「体調悪いから行くなって。」 「本当はそう思ってたんでしょう?」
「小坊主の体調なんか関係ないじゃない!」 「私だって呑みたいわよ!!」
俺の体調など、 お構い無しとばかりに。
金切り声で、 捲し立て続ける。
きっと姫は、 自分が良ければ其れで良いんだ。 |