眼前に在るのは。
嘗て、 惑い痛み続けた自身に、 他ならない。
其れ故に。
惑いも、 痛みも。
抉る様に、 此の身を侵襲するのか。
悪酔いした、 自由の利かない身体を。
互いに、 安易な方向へと流しながら。
姫は。
「何でこんなに擦れ違っちゃったんだろう。」
酔いに任せて、 其の感情を放出し。
「小坊主の事好きなのに。」
残存する想いの核を、 そっと、 刺し入れ。
更に。
「遅いよ。」 「何故今なんだよ。」
飛び出し掛けた言の葉を、 遮る様に。
「二年振り?」
既に、 忘れ掛けて居た計数で、 駄目を押した。
---------- References Nov.15 2011, 「距離を望んだのは此方でしたか」
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